本多灯が銀 大外8レーンから一気にまくった 不振男子に光灯す「悪い流れかき消した」

 銀メダルを手に歓喜の雄たけびを上げる本多灯(撮影・高部洋祐)
 8レーンで力泳する本多灯(右)
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 「東京五輪・競泳男子200mバタフライ・決勝」(28日、東京アクアティクスセンター)

 競泳男子200メートルバタフライは本多灯(19)=アリーナつきみ野SC=が1分53秒73で銀メダルを獲得した。日本男子勢はここまで不振が続いていたが、初のメダルで負の連鎖を断ち切った。この種目では5大会連続表彰台となった。

 初々しい笑顔を輝かせ、左の拳を突き上げた。ここまで4大会連続でメダルを獲得していた“新・お家芸”の男子200メートルバタフライで、ニュースターが台頭。「本当にうれしいしかないです。必死に泳いでいたので自分が何番か分からなかったけど、タッチして見て、2位だ!53秒だ!と思って。うれしくてガッツポーズしました」と声を弾ませた。

 150メートルは4番手でターン。狙い通りの追い上げで順位を上げた。金メダルは世界記録保持者のミラク(ハンガリー)に譲ったが「自分が思った通りのレースプランができた」。“大外”8レーンから一気にまくった。

 日本競泳陣は瀬戸大也(TEAM DAIWA)や松元克央(セントラルスポーツ)らが相次いで決勝進出を逃し悪い流れが続いている。しかし「僕にはあまり(プレッシャーは)なかったです」と本多。普段から陽気なキャラクターでチームのムードメーカー的存在だけに「一発ぶちかまして、いい流れを作りたいと思っていた。この悪い流れをかき消してきました」とあっけらかんと言った。

 以前、憧れだった瀬戸に「どうしたら速くなれるか」と聞いたことがある。返ってきた答えは単純明快。「練習」だった。その言葉を大切に、着実に成長。大会前は自己ベストを連発し、絶好調で五輪へと乗り込んできた。周りを明るく照らす存在になってほしいとの願いから「灯」と名付けられた19歳が、大先輩をも驚かせる結果を勝ち取った。

 “新・お家芸”を背負う者として、次に狙うはもちろん金メダルだ。世界記録を持つミラクへ「次、五輪で戦うときは最後までどっちが勝つか分からない、彼が楽しんでくれるようなレースがしたい」。銀メダルは宣戦布告には十分。3年後のパリで、さらに明るい色のメダルを目指す。

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