北園丈琉も大健闘5位 手負いの体を駆使し奇跡の復活「今できる完璧な演技はできた」
「東京五輪・体操男子個人総合・決勝」(28日、有明体操競技場)
男子個人総合決勝で橋本大輝(19)=順大=が6種目合計88・465点で金メダルを獲得した。北園丈琉(18)=徳洲会=は86・698点で5位だった。予選の得点は持ち越さず、計6種目の合計得点で争われた。
体操人生を左右するような大けがから約3カ月半。奇跡の復活を遂げた北園は最後の床運動の着地を華麗に決めると、両拳を力強く握った。全6種目で磨き上げた技術を駆使し、5位と健闘。「僕一人では絶対にこの舞台には立てなかった。今できる完璧な演技はできた」と感慨に浸った。
2018年ユース五輪5冠と輝かしい経歴。早くから、個人総合で五輪2連覇の内村になぞらえ“内村2世”との呼び声も高かった。だが中学時代から指導する梅本コーチは「何でもできる航平とは全く違う。不器用で一つの技を覚えるにもすごく時間がかかる」と打ち明ける。
4月に負った右肘の剥離離骨折と両肘の靱帯(じんたい)損傷は完治していない。右肘にテーピングする姿は痛々しいが、「美しい体操」は簡単には崩れなかった。1学年上の橋本の勇姿をじっと見つめ「負けないように食らいついていきたい」と闘志を燃やした。