伊藤美誠「悔し涙」の銅 日本女子卓球史上初シングルスメダルも金以外は「基本一緒」
「東京五輪・卓球女子シングルス・3位決定戦」(29日、東京体育館)
日本の伊藤美誠(20)=スターツ=がユー・モンユ(シンガポール)に6-11、11-8、11-7、11-7、11-6で勝ち、銅メダルを獲得した。日本卓球女子史上初のシングルスのメダルとなった。また、自身としては水谷隼とのペアで獲得した混合ダブルスの金に続く2つめのメダルになった。
悔し涙から8時間後。黄色いユニホームを青色に着替えて奮起。石川佳純(全農)が敗れた相手に競り勝った。試合後、テレビ東京などで放送された中継でのインタビューに「実際、すごく勝ったことはうれしいですけど、正直、悔しい気持ちの方が大きいかなと思います」と率直な思いを口にした。インタビューの最中も目に涙を浮かべていたが、「悔し涙です」とはっきりと語った。
取材エリアでも「もちろんうれしいけど、中国人選手に勝ってメダルをとりたかった。金メダル以外は基本一緒。団体戦で(自分が)全勝でチームにいい流れを持っていきたい」と、あくまで頂点を目指し続けることと、団体での「金」を誓った。
第1ゲームは競り合いから終盤連続してポイントを落として先取されたが、ここから4ゲームを連取した。
第2ゲームは積極的な強打で攻め、競り合いに。サーブポイント、チキータで終盤にポイントを奪い、このゲームを取り返した。
第3ゲームは相手が先行、伊藤が追う展開。中盤、5-7から6連続ポイントで一気に逆転した。第4ゲームも伊藤が積極的に攻めた。第5ゲームも強打の打ち合いを制するなど、伊藤らしさを前面に出して勝ち切った。
この日昼には、混合ダブルスとの2冠をかけたシングルス準決勝で、孫穎莎(中国)と対戦。0-4(3-11、9-11、6-11、4-11)でストレート負けしていた。その第2ゲーム。9-3とリードしながら逆転を許してリズムを失った。「2ゲーム目が取れなかったことが大きな点。2ゲーム目から3ゲーム目に行く入りがあまり良くなかったので、そこを立て直せなかったのが、今回の敗因かな」と目を真っ赤にして語っていた。