世界女王森ひかる襲った五輪の魔物「跳べなくなった」 重圧乗り越え「自分褒めたい」

 予選で敗退し、他国の選手と抱き合う森ひかる(撮影・高部洋祐)
 第2演技を終えた森ひかる。右は丸山章子コーチ=有明体操競技場
 第2演技を終え、得点を待つ森ひかる=有明体操競技場
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 「東京五輪・トランポリン女子・予選」(30日、有明体操競技場)

 世界ランキング3位の森ひかる(22)=金沢学院大ク=は痛恨の失敗が響き、上位8人に入れず。13位でまさかの予選敗退となった。宇山芽紅は日本勢過去最高位の5位に入った。

 森は2回目の演技では、3回目の宙返り後にバランスを崩し、着地点から大きく外れた。この時点で、演技続行が不可となり終了となった。演技終了時はぼう然とした表情でしゃがみ込み。得点表示を待つ際も肩を落としてショックを隠せなかった。その後、あふれる感情をこらえきれず、涙を流した。

 「五輪の舞台でしっかり決めるというのは本当に難しいと感じた。ガチガチかと思ったが、そうでもなくて冷静だったんですけど」と話すと、直前の苦悩を思い返し号泣。「1カ月前から宙返りが怖くなって…。ただのジャンプも跳べない日が続いて…。この舞台に立てないんじゃないかと思った。先生に『辞めたいです。選手交代したい』とも言った」-。

 6月のイタリアでのW杯最終戦に出場し、優勝していたが、これがさらに自分を追い込む要因になった。「W杯前から怖くなって、本当は出たくなかったけど、頑張って出て、それで優勝してしまった。結果だけ見た人には苦しさは届かなくて、単に調子がいいように見えたと思う。期待されるのは嬉しくもあったけど、どんどん苦しくなって、次はジャンプも跳べなくなった」と、明かした。

 ただ、それでも諦めずに立った舞台。「調子が悪い日はここまでしっかりやろうと決めて、やり通してきた。こうしておけばという日は1日もない。絶対に諦めずに負けなかった。五輪という最高の景色を見ることができた。自分をほめてあげたい」。立てなかった決勝の舞台を見つめて思ったという。

 「もう頑張らなくていいんだって。安心できた。これからの人生に生かしていきたい」-。

 ◆森ひかる(もり・ひかる)1999年7月7日生まれ。東京都出身。身長159センチ、体重51キロ。競技歴は4歳の時、近所のスーパーの屋上にあった1回7分200円のトランポリンがきっかけ。

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