森保Jメダル見えた!ロンドン以来の4強 GK谷が大仕事!死闘PK戦制する

 PK戦の末、ニュージーランドに勝利し、大喜びの吉田(中央)ら日本代表
 PK戦でニュージーランドの2人目、カカーチェのキックを止めるGK谷
 PK戦でキックを決める4人目の吉田
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 「東京五輪・サッカー男子・準々決勝、日本0(PK4-2)0ニュージーランド」(31日、カシマスタジアム)

 男子の準々決勝で、1次リーグA組を3連勝の首位で通過した日本はB組2位のニュージーランドと対戦し、延長を終えて0-0からのPK戦を4-2で制し、2012年ロンドン五輪以来の準決勝進出を決めた。GK谷晃生(20)=湘南=がPK戦で相手の2人目のキックを止め、4人目のDF吉田麻也(32)=サンプドリア=が決めて、熱戦に終止符を打った。決勝進出を懸けて、8月3日の準決勝で、コートジボワールを延長の末に5-2で下したスペインと顔を合わせる。

 吉田の蹴ったボールが左隅に吸い込まれ、死闘に終止符が打たれた。PK戦を制した日本が2012年ロンドン五輪以来、五輪では3度目となる準決勝に進出し、1968年メキシコ五輪銅以来、53年ぶりのメダル獲得に王手をかけた。

 立役者は谷だった。先蹴りの相手2人目のキックを右に飛んで止めた。続く3人目はクロスバー上に外したが、コースは読んでいた。勝負の趨勢(すうせい)を決定付けた20歳の守護神は「タイミングもばっちりだった」と興奮冷めやらぬ表情で振り返った。

 PK戦直前には川口能活コーチから相手のキックの情報を伝えられたが「なかなか覚えきれない」と苦笑。最後は「ヒーローになってこい」と力強く背中を押された。1996年アトランタ五輪でも日本のゴールマウスを守った歴戦の守護神の檄(げき)に応えた。

 若くから将来を嘱望されたGKだった。出場機会を確保するため、2020年にG大阪から湘南に期限付き移籍し、2季目を迎えた。当初は「うまく見せよう」と気負っていたが、斎藤誠一GKコーチとの二人三脚で着実に成長。「信頼されるGKになりたい。安心すると思ってもらえるのが一番」と精神的にも成熟した。大会前には斎藤コーチから「謙虚にやれよ」と言葉を贈られたという。2017年のU-17(17歳以下)W杯ではイングランドにPK戦で屈し、16強で敗退。「ようやく挽回するチャンスが来た」と4年前の苦い記憶も糧とした。

 格下相手の想定外の苦戦に、吉田は「普通にやれば勝てるという雰囲気を危惧していた」と述懐した。“オールホワイツ”の異名を持つニュージーランドの白い壁を攻めあぐね、1次リーグ計7得点の攻撃陣が沈黙。それでも「そこは持ちつ持たれつ」(吉田)と守備陣が120分間を無失点で耐え抜いた。

 3日の準決勝は大会前の強化試合で引き分けた金メダル候補スペインとの再戦となる。森保監督は「タフに粘り強く、チーム一丸となって最後まで戦い抜き、勝って決勝に進みたい」と力を込めた。決勝に進出すれば日本の五輪史上初。重い歴史の扉を開く。

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