【朝原宣治の目】ベストな走りしていたら通過できた 陸上男子100m予選
「東京五輪・陸上男子100m・予選」(31日、国立競技場)
男子100メートル予選で9秒95の日本記録を持つ山県亮太(29)(セイコー)は10秒15で3組4着だった。多田修平(25)=住友電工=は10秒22の1組6着、小池祐貴(住友電工)は10秒22の4組4着で全員が落選し、準決勝に進めなかった。
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3選手とも実力を発揮できませんでした。予選のタイムが全体的に速かったのは確かですが、それについていくだけの実力はついていました。ベストな走りをしていたら、予選は通過することができていたので残念です。
多田選手は隣のベーカー選手の中盤以降のとんでもない走りに惑わされたという感じで、トップスピードが上がりませんでした。日本国内のレースしかやっていなかったのが影響した感じでした。
山県選手はスタートはうまく出たかのように見えました。そして本来なら中間から流れるように体を動かしていけますが、少しスムーズさを欠いた印象でした。
小池選手は着順が惜しかったです。組的には3着で予選を通過できるチャンスがありました。上り調子で大会に臨めたのですが、ちょっと力みが出た感じでした。
リオ五輪の銀に続くメダルの期待がかかる400メートルリレーが残っています。1人も準決勝に進出していないのは不安要素ではありますが、リレーでは自分の走りをきっちりしてもらいたいです。バトン練習をする時間もあります。そこがつながればと期待したいです。(2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰・朝原宣治)