レスリング・グレコ文田「(太田)忍先輩に金獲って自慢したい」 銀メダル以上確定
「東京五輪・レスリング男子グレコローマン60キロ級・準決勝」(1日、幕張メッセAホール)
文田健一郎(25)=ミキハウス=は、準決勝でレヌル・テミロフ(ウクライナ)に勝利し、決勝進出と銀メダル以上を決めた。1回戦でアブドルカリム・フェルガト(アルジェリア)にテクニカルフォール勝ち、2回戦では瓦裏汗(中国)を下した。
勝利の瞬間も、マットの上で表情を崩さなかった。「やっぱり金を獲らないと」。銀メダルは当然超えるべきハードルだ。文田は「(決勝の相手国は)忍先輩が5年前にやったキューバ。自分の形を貫いて手堅くても勝てる試合をしたい」と、日体大の先輩で2016年リオデジャネイロ五輪銀メダリスト、太田忍の届かなかった頂を見据えた。
「忍先輩は銀メダルなので、自分が金を獲って自慢したい」と冗談めかして言ったが、思いの強さはこの日の戦いぶりが表している。準決勝までの3試合では、得意の投げ技を出さなかった。「投げはずっと狙っていて、相手が嫌がっていたのが続いた」とした一方で、「勝つことが大前提」とも。初出場の五輪で「自分の投げは手段なので、目的と手段をしっかり分けて考えたい。戦略です」と勝利至上主義に徹した。