日本スプリント陣が93年ぶり屈辱 100、200m出場全員初戦敗退 リレーに暗雲

男子200メートル予選を終えて肩を落とすサニブラウン=国立競技場(撮影・堀内翔)
男子200メートル予選を終えて座り込む山下潤=国立競技場(撮影・堀内翔)
男200メートル予選を走る飯塚翔太(中央)=国立競技場(撮影・堀内翔)
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 「東京五輪・陸上男子200m・予選」(3日、国立競技場)

 予選2組に登場した初出場のサニブラウン・ハキーム(22)=タンブルウィードTC=は21秒41で組最下位の6着に終わり、準決勝進出を逃した。同1組の飯塚翔太(30)=ミズノ=は21秒02で6着、同3組の山下潤(23)=ANA=は20秒78で3組5着に終わり、予選落ちとなった。同じく出場した3人が予選落ちとなった男子100メートルと合わせて、日本スプリント陣が全員準決勝に進めないのは04年アテネ五輪以来17年ぶり。2次予選があった時代を含め、100、200メートルとも代表を送り出した大会で全員が初戦敗退となるのは1928年のアムステルダム五輪以来93年ぶりの屈辱となった。

 しゃく熱の国立で日本勢は苦しい戦いを強いられた。ベテラン飯塚が直線伸び悩み失速すると、続くサニブラウンは最終カーブ手前から失速。まさかの組最下位に沈んだ。山下は日本勢最高タイムで、一時はタイム順の予選通過ラインに名前が載ったが、その後圏外に。サニブラウンは「自分でもなんで遅かったのか分からない。最後はジョギングしてるぐらい遅かった。気持ちが切れた部分はあったけど、もっといけたんじゃないかと」と、首をひねった。

 先に競技が行われた100メートルでも、日本記録保持者の山県、9秒98の自己記録を持つ小池、日本王者の多田の3人が挑んだが、まさかの全員予選敗退。100、200メートルの短距離陣が全員初戦敗退となるのは1928年大会以来93年ぶりの屈辱となった。

 銀メダルを獲得したリオ五輪以降、東京五輪での金メダルを目指してきたリレーにも暗雲が漂ってきた。19年世界選手権で日本を上回った米国と英国はもちろん100メートルで9秒83のアジア新記録をマークした蘇炳添を擁する中国や、金メダリストのヤコブスを擁するイタリアなども侮れなくなってきた。リレー要員で選出され、フレッシュな状態で挑める桐生、デーデー・ブルーノに懸かる期待は大きい。個人で見せつけられた走力の差を、代名詞のバトンで埋められるか。「短距離は厳しい状況だけど、みんな切り替えて、強い気持ちを持っている。最後に挽回したい」と飯塚。リレー侍の真価が問われる戦いとなる。

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