12歳・開心那が銀 史上最年少出場&メダル獲得 夢舞台も「いつも通り」

 演技をする開心那
 日の丸を背に笑顔を見せる開心那(左)と四十住さくら(撮影・高部洋祐)
2枚

 「東京五輪・スケートボード女子パーク・決勝」(4日、有明アーバンスポーツパーク)

 新競技スケートボードの女子パークで、夏季大会日本史上最年少の12歳で出場した開心那(WHYDAH GROUP)が59・04点で銀メダルの快挙を成し遂げた。

 真っ黒の長い髪が夏空に揺れる。12歳の開があどけない笑顔を見せた。「すごい重いです。今までで一番重い」。中1の夏休み。史上最年少で出場した東京五輪の銀メダルという、最高の“夏休みの思い出”を刻んだ。

 1本目のランでコースの縁を滑る「グラインド」や空中で板を1回転させる「キックフリップ・インディー」を成功。2本目は「もっとレベルを上げて、メークできた。あの点数が出てうれしかった」。3本目はさらに高難度の技を意識した結果、序盤で失敗。それでも2本目の高得点が銀メダルへ結びつき「2位を取れてうれしかった」と喜んだ。

 世界のトップスケーター8人が集結した決勝の大舞台は「すごく楽しかった」。メダル争いは「意識してなかった」といい、五輪の夢舞台にも「何も変わらなかった。いつも通り、みんな仲良く友達としてやっていた」と、まるで休日の公園で遊ぶ鬼ごっこのように振り返った。

 5歳の時、スケートボード好きの母が「家族でできるスポーツを」と始めたのがきっかけでパークに通い始めた。小学校低学年から本格的に練習を始め、練習は学校後、苫小牧市や札幌市のパークへ通い、3~5時間こなした。次第に国内外の大会を転戦するようになった。12歳だが「あまり年齢は気にしてないです」という。「先は長いのでは?」と問われても「ん~、何にも考えてないですね」と豪快に笑った。

 夢は「世界一かっこいいスケーター。自分のシグネチャーモデル(特別仕様の冠製品)を出したい」と掲げる。堂々の世界2位となり、壮大な夢に「近づけたかな」と初々しい笑顔を見せた開。あと何度、この大舞台を踏むことになるのか。多くにとっては“集大成”とされる五輪だが、12歳にとっては、今後見せる伝説のプロローグにすぎないのだろう。

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