「東京五輪・スポーツクライミング女子複合・決勝」（６日、青海アーバンスポーツパーク）

　東京五輪で引退を表明している野口啓代（３２）が３位に入り銅メダルを獲得した。野中生萌（２４）＝ＸＦＬＡＧ＝が銀メダルを獲得した。

　メダルが決まった瞬間、野口はうれし涙をぬぐった。「ありがとうございます。何かあまり、うまくいかなかったと思うが、最後まで諦めず登れたので良かった。スピードは順位的にうまくいったが、ボルタリングで心が折れそうになった。最後の競技で一手でも多く登れたのが良かった。疲れて限界だったが気持ちでプッシュできた」

　東京五輪で現役引退することを決めていたが、延期が決まっても気持ちを切らさずに結果につなげた。「やっぱりオリンピックでメダルをとりたいと思っていた。金には届かなかったが良かった。本当にもっともっと登りたかったし、いいクライミングをお見せしたかったが、今はそれ以上に嬉しい気持ちが大きい」と涙。

　野中との表彰台に「生萌とは長く一緒に頑張ってきて、一緒にメダル取りたかった。金、銀が良かったが一緒に表彰台のれてうれしい」とうなずいた。

　◆野中生萌（のなか・みほう）１９９７年５月２１日生まれ。東京都豊島区出身。名前の由来は若葉が萌える季節に生まれたことから。９歳の時に父の山登りトレーニングがきっかけで、クライミングを始める。１４年に１６歳でＷ杯日本代表に入ると、１９歳でボルダリングの世界ランク２位に。１８年のボルダリングＷ杯年間総合女王。スピードでは日本記録保持者。１６２センチ。

　◆野口啓代（のぐち・あきよ）１９８９年５月３０日生まれ。茨城県出身。小学５年生の時に家族旅行で訪れたグアムのゲームセンターでクライミングに触れ、帰国後から競技を始める。１８年のジャパンカップ複合を制し、ジャカルタアジア大会では金メダル。１６５センチ５２キロ。