【高島規郎の目】中国撃破に必要なのは“自由な発想”持つ勇気

 「東京五輪・卓球男子団体・3位決定戦、日本3-1韓国」(6日、東京体育館)

 日本が韓国を3-1で下して銅メダルを獲得した。第1試合のダブルスは水谷隼(32)=木下グループ、丹羽孝希(26)=スヴェンソン=組が先勝し、第2試合は張本智和(18)=木下グループ=がエース対決で勝利。第3試合は丹羽が落としたものの、第4試合で水谷が勝負を決めた。日本はリオデジャネイロ五輪銀メダルに続く2大会連続のメダルで、初出場の張本にとっては初のメダルとなった。

  ◇  ◇

 日本は最後に非常にまとまった、いい試合をした。強敵の韓国に対し、最初のダブルスを取れればと思っていたが、丹羽の出来が良く、流れをつくった。

 シングルスでは集大成として臨んだ水谷のサーブレシーブ、ネットプレーのうまさが光った。張禹珍も威力のあるボールを出すので、受けると危なかったが積極的だった。水谷は考えたサービスや台上、ネットプレーのテクニックもさまざまな種類を駆使し、相手に的を絞らせなかった。冷静なゲーム運びで、若い選手にはいい勉強になったと思う。

 金メダル獲得へは中国の壁を越えなければならない。日本選手と中国選手は同じぐらいサービスが上手だが、台上から攻め込む種類は中国の方が多い。強い球を打ちたいという願望は分かるが、卓球はサーブレシーブ、ネットプレーから始まる。日本はそこをもっと強化すべきである。

 また、外国選手のようにバラエティーに富んだ、自己流の自由な発想で卓球をやっていく勇気を出すことも大切だ。男子にも伊藤美誠のように感性で卓球ができる選手が出てくれば世界で通用する。

 若手は育っているし、優秀な選手もたくさんいる。次回パリ五輪まで時間は多くない。速攻戦術の卓球のように、新しい選手にどんどん出てきてもらいたい。(1975年世界選手権男子シングルス銅メダリスト、近大名誉教授)

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