野中生萌が銀 新競技でW表彰台!Sクライミング日本勢初メダル

 女子複合決勝のスピードを終え、笑顔の野中生萌
 優勝したヤンヤ・ガルンブレト(中央)と抱き合う銀の野中生萌(左)と銅の野口啓代
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 「東京五輪・スポーツクライミング女子複合・決勝」(6日、青海アーバンスポーツパーク)

 3種目の複合で争う女子決勝で、野中生萌(24)=XFLAG=が銀メダル、現役最後と臨んだ野口啓代(32)=TEAM au=が銅メダルを獲得した。スピード、ボルダリング、リードの順に臨み、各種目の順位を掛け算したポイントの少ない選手が上位となる。野中はそれぞれ3、3、5位の45点、野口は4、4、4位の64点。ガルンブレト(スロベニア)が5、1、1位の5点で金メダルを獲得した。スピードではミロスワフ(ポーランド)が6秒84の世界新記録を樹立した。

 野中が執念で銀メダルを獲得した。順位が確定すると、両腕を強く握りしめて跳びはねた。「うれしかったのもあるが、ここまでつらかった。やっと終わった。頑張ってきて良かった」。安ど感で、どっと涙があふれた。

 スピードでは3位。得意のボルダリングで上位が必須だったが、第1課題はゾーンに届かなかった。右膝を痛めていたが、「最後はあきらめないでいこう」と、かかとをホールドにひっかけて登る「ヒールフック」を解禁。第2、第3課題で巻き返して総合3位につけ、挽回に成功した。「あきらめない気持ちが銀メダルにつながった」とかみしめた。

 登山が趣味だった父の影響で8歳からクライミングジムに通った。週1ペースで家族そろってやっていたものの、いつの間にか1人だけに。大会に出るのは嫌だったが、先輩に無理やりエントリーされ、「ずっと緊張して、登るギリギリまで本当に嫌だった」。しかし、この大会で優勝してしまう。「落ちたくない一心でがむしゃらに上を目指した。唯一落ちない方法が上に登ること」。人生が転がりだした瞬間だった。

 五輪までは代表内定を巡って外野のけん騒にも苦しめられた。出場基準を巡る国際連盟と日本協会の1年以上に及ぶ係争で、決着が付いたのは昨年12月。地に足の着かない長い日々を過ごしたが、「それがあって成長できたことも間違いなくある」と力に変えた。

 今大会が引退試合となった野口と2人でメダルを手にした。「啓代さんが最後の大会で特別だった。目標のメダルを実現できてうれしい」。自慢のレッドヘアをたなびかせて誇った。

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