若手育成へ“大所帯”阪神が抱える問題

 若手育成が近年のテーマとなっている阪神。今季からOBの掛布雅之氏が「GM付育成&打撃コーディネーター」に就任。トレーニング面も強化するなど、さまざまな角度から力を注いでいる。

 一方で、“大所帯”がネックにもなっている。昨季シーズン終了時点で、阪神に在籍していた選手は育成選手を含めて75人。これは12球団でソフトバンク(89人)、巨人(81人)、広島(80人)、ヤクルト(76人)に次ぐ多さだ。この大人数が少なからずネックになっていると、ある関係者は言う。

 「打撃練習などでも1人に割り当てられる時間は少ないと思う。室内練習場でも順番待ちがあったりと、十分な打ち込みもなかなかできないようだ」

 阪神より多く選手を抱えている球団のうち、ソフトバンクは3軍までつくり、試合数の確保をしている。巨人、ヤクルトなどイースタン・リーグは7球団で編成されている上に、「フューチャーズ」という混成チームで経験を積ませている。

 ウエスタン・リーグに所属する阪神は、育成試合や練習試合を組んでいるが、それでも試合数が十分とはいえないだろう。ただ、手をこまねいているだけではない。昨季などは限られた2軍遠征メンバーの中で、帯同させるスタッフを1人減らして、その分を選手に割り当てる工夫もしていた。とはいえ、試合に出場するのは実力勝負だが、やはり頭を抱える問題であることには違いない。

 オフには外国人や育成選手の戦力外、久保のFA移籍などを含めて14人が阪神から去った。1月14日時点で阪神に新加入する選手は、呉昇桓(オ・スンファン)ら10人となっている。昨年10月に行われたドラフト会議から、阪神は育成選手の指名をしない方針を打ち出すなど、対策を図っているようだ。若手育成へ、人数の問題も含めてこれからも試行錯誤が続くだろう。(デイリースポーツ・西岡竜一)

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