オリックスVへの救世主となりうる男
首位を争うオリックスで後半戦のキーマンになる男が、1軍復帰への道を模索している。チーム最年長・谷佳知外野手(41)。今季、巨人から復帰した“Vの使者”だ。
不調のため4月20日の西武戦後に出場選手登録を抹消された。6月には持病の右肩痛が悪化。同12日のウエスタン・ソフトバンク戦を最後にリハビリに専念していた。
今月に入り、4日の阪神戦で1カ月ぶりに3番・DHで実戦復帰すると、3打数1安打1打点。好機できっちり適時打を放つところはさすがだ。「タイミングは取れている。当たりは別として、いいきっかけになれば」と話していた。
課題は痛めている右肩。「投げる時に痛みがある。こわごわやっている」と話していたが、それから10日たった14日の広島戦では故障後初めて守備に就いた。3番・左翼で先発。14日現在で打率・234ながら、着実に前へ進んでいる。
プロ選手にケガは付きもの。「右肩の痛みとは、5年ほど前からずっと付き合ってきた。痛くなったら休む。休めば治る」という繰り返しだった。今回の故障もアイシング、マッサージ、電気治療を根気強く続けてきた。
森脇浩司監督(53)の期待も大きい。「体が戻ってくれば、技術はあるし、いいものを出してくれる。最終的には、経験ある人がパフォーマンスをしてくれるとプラスになる確率が高い」と、後半戦の厳しい局面に谷の力は不可欠としている。
あと77本となっている2000安打への意欲も消えていない。「上(1軍)も調子がいいのでね。体調を上げないと上がれない」と谷。巨人時代に5度の優勝を経験した。ケガと闘いながらも常に前進する精神は、チームの正念場で救世主になるはずだ。
(デイリースポーツ・中野裕美子)