東大卒の税理士ボクサーが求めるもの
東大経済学部卒で、税理士法人「TAXGYM」に税理士として勤務する柏野(かしの)晃平(川崎新田)が8月1日、プロボクシングC級ライセンス(4回戦)に合格した。
3分2ラウンドの実技試験では、ヒット&アウェーで相手を手玉に取るテクニシャンぶりだった。
東京・品川区の攻玉社高で剣道部に所属し、3段を取得。「剣道をやっていたので相手との距離感を測るのは得意です」と言う。東大でボクシング部に入り、通算19勝8敗。2010年アマ全日本ランキングでライトフライ級の6位になった。
就職し、ボクシングは引退したが「仕事とスポーツを両立させたい」と、後輩の紹介で川崎新田ジム(新田渉世会長)の門をたたいた。そして昨年10月、「プロでやってみよう」と一念発起し、一発合格した。
かつて「ハングリースポーツ」と言われたボクシングが、そうでなくなって久しい。それぞれの持つ背景にかかわらず「ストイック」であることがボクサーが闘う大きな理由だ。東大卒で、税理士で、何でボクサーを?の答えもそこにある。
同世代で気になるボクサーは、と聞くと「亀田和毅」と即答した。「すごいな、と思います。一人でメキシコに行って、スペイン語を話せるようになって、ラスベガスのリングにも上がった。すごいですよ」
自身の目標は「まずは来年の新人王トーナメント優勝。そして日本王者を目指します」と話した。自身も現役時代、国立大卒(横浜国大)初の東洋王者として話題になった新田会長は「日本王者は狙える。しっかりやれば、もっと上も」と、期待する。
注目のデビュー戦は9月17日を予定している。(デイリースポーツ・津舟哲也)