森友哉 高校時代も鮮烈デビューだった
つい1年前まで高校球界を沸かせていた西武のルーキー・森友哉捕手が、プロで鮮烈デビューを飾った。
7月30日のオリックス戦でプロ初出場初安打を放つと、翌日は初長打の中越え二塁打。8月14日にはプロ1号本塁打も飛び出した。以来3試合連続本塁打と、与えられたチャンスをものにしている。
170センチ80キロの体は数字上、プロでは小兵。だがひとたびグラウンドに出ると、森の姿はひときわ存在感を示す。打撃練習で鋭いスイングで勢いのある打球を連発。内野ノックを受ければ、肩の強さは先輩選手をしのぐものがある。
新たな世界で、彼なりに戸惑いも感じているだろう。「高校とプロの一番の違いは、練習のメリハリ。休む時はちゃんと休む。でも練習はめちゃくちゃしんどいです」と渋い表情も作る。しかし、ついていくだけで精いっぱいという様子はない。
さらに「周りがみんな先輩なので、気を遣うこともある」と話す一方で「みなさんからよく話しかけていただきますし、いい人ばかりで楽しい」と早くもチームに溶け込んでいる様子もうかがえる。
彼の適応能力には、大阪桐蔭時代から目を見張るものがあった。
1年生の9月、初めて公式戦に出場した秋季大阪大会1回戦・対阿武野でいきなり初本塁打を放っている。試合後、熱中症のような症状でダウンするアクシデントもあったが、先発マスクでフル出場した。
2年時は、1年先輩の藤浪晋太郎投手(現阪神)とバッテリーを組み甲子園で春夏連覇。同年秋に高校日本代表で韓国遠征を経験した際は、木製バットにも即対応。2年生ながら、プロのスカウトに絶賛された。
3年時は同校の主将を務めたほか、高校日本代表でも主将。トップクラスの選手が集う中で、常に中心選手になってきた。
西武・袴田英利チーフ兼バッテリーコーチは森について「すべてに対してガッツがある。いい打撃をしているし、やっと慣れてきたかな」と評価する。
守備面でも「昇格したばかりで大変だと思うが、年上の投手にも自分から進んで球種を聞きにいっているし、とにかく熱心。やらなければならないことばかり。今はすべて勉強だよ」と期待を寄せる。
どんな環境でも、野球に対するどん欲なスタンスは変わらない。それがプロでの活躍につながっている。
(デイリースポーツ・中野裕美子)