オリ守護神・平野佳を支える四股パワー

 12球団屈指の救援陣を備え、し烈な首位争いを続けるオリックス。今季は馬原‐佐藤達‐平野佳という鉄板の3枚構えで開幕以来、七回までリードしていれば60連勝を達成するなど安定感を発揮してきた。

 緊迫した試合で登板することが多い救援投手は、平常心を保つためにルーティンを行うことが多い。

 平野佳寿投手の場合、マウンドに上がるとまず四股を踏むような姿勢を取る。さらに、広げた左右の膝にそれぞれ手をついて、両肩をストレッチさせている。

 「大学(京産大)時代に四股踏みに出会い、自分に合っていると思ったのでずっと続けています」と話している。

 効果は以下のような点だという。「緊張すると、重心が高くなりがち。四股を踏むことで下に重心を下げるというか、しっかり下半身を使って投げるように意識できるんです」。

 同大学野球部の勝村法彦監督によると平野佳はこの四股踏みを大学3年の頃にはすでに始めていたという。「私がアドバイスしたわけではありませんが、彼なりにいろいろ試した中であのルーティンが一番よかったのではないですか。四股ではないですが、彼は猫背になりがちだから『肩のストレッチで予防するといいぞ』という話をしたことはあります」と振り返る。

 救援陣の一角、佐藤達也投手もこれに倣っている。「平野さんがやっているのを見て、プロ2年目くらいから僕も四股を踏んでいます。特に理由はありませんが、まねしてみようと思ったのがきっかけで毎日続けていますよ」。

 元横綱の貴乃花親方が「体幹や精神を鍛えられる」として、エクササイズに推奨している四股踏み。野球界でもさまざまな形で広がりをみせている。

(デイリースポーツ・中野裕美子)

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