号泣シーンもあったプロレス総選挙

 10月1日に「DDTドラマティック総選挙2014」が東京・新宿FACEで開催された。総選挙対象興行のチケット1枚またはグッズ3000円分でファンが手にする1票ですべてが決まる。AKB48グループ同様、支持数がはっきりと明らかになる選手はリハーサルからそわそわし、初参加の赤井沙希は「24位以内なら。本当は選抜の20位以内がいいけど…」と祈った。

 対象48人中、20位までが“選抜メンバー”として10・26後楽園ホール大会の本選、21位から24位が“アンダーボーイズ”として同日のダークマッチに出場。1位に賞金100万円と来年2・15さいたまスーパーアリーナのメーンでのKO-D無差別級王座挑戦権が、2位に30万円と10・26での同王座挑戦権が与えられ、25位以下が圏外という規定だった。

 新設されたユニット部門の発表が終わり、個人部門が始まるころには、会場は独特のムードに包まれた。発表はあえて19位から。18位タイで人気者のケニー・オメガが呼ばれると騒然とした。選手のスピーチは自由。17位で初めて選抜入りした俳優・坂口憲二の兄でフリーの坂口征夫は、高木三四郎社長に「最後の格闘技人生をここで終わらせたい。DDT所属にして下さい」と入団を直訴。「一緒にやりましょう」と快諾された。

 発表が進むにつれて顔がこわばった赤井は大健闘の6位に号泣。昨年8月のデビュー後も、タレントとの二足のわらじを続ける27歳は「大切な1票を受け止めて、もっとDDTに尽くします。自慢できるような選手になって、もっとかっこいい試合をします」と涙ながらに語り、大きな拍手を浴びた。

 昨年に続く連覇を狙った男色ディーノは5位にダウンし、3強は想定内の3位・HARASHIMA、2位・木高イサミ、1位・飯伏幸太。どこかで目にした光景同様に2位で木高が呼ばれた瞬間、飯伏の1位を誰もが確信した。

 AKBの選抜総選挙は09年から開始されて今年で6回目を迎えたが、DDTもすでに5回目。自身は圏外だった高木社長は「ウチは結構、早くからやってるでしょう。みんなピリピリするけど、ファンのありがたみを知れるし、いい機会だと思う」と効果に手ごたえを感じている。“センター”飯伏が希望した、電車内で試合をする「山手線プロレス」の調整にも動くとした。

 今後、プロレス界全体に枠が広がれば、コアなファン以外も楽しめそう。現役のレジェンドたちも参加する総選挙の結果が見てみたい。(デイリースポーツ・大島一郎)

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