栗山監督が満足する大谷の勝利数は…
日本ハムは最終第6戦までもつれたCSファイナルステージで惜しくも敗れ、大谷翔平投手の2014年シーズンが終わった。11勝4敗。防御率はリーグ2位の2・61。打率・274、10本塁打と投打ともに自己最高成績を残しプロ2年目を終えた。激動のシーズンを終え、飛躍へとつながる大きな経験をした。来季は投打でどれほどの成績を残せるか。
CSは投打に大車輪の活躍。これぞ二刀流のだいご味というプレーを見せた。ファーストステージ第1戦で先発後、第3戦は野手でスタメン出場。ファイナルステージでは1~3戦まで野手。第5戦は初の“中1日”で先発投手として出場し、試合をつくった。激動のポストシーズンを戦い抜き、栗山監督も「よくやっているよ」と、めずらしく褒めたりもした。1年目よりも2年目と、二刀流としての成長の跡が見えた。
二刀流ルーティンが確立しつつある。ポストシーズンはかなりハードな二刀流となったが、来季、大谷が目指すべきテーマについて、栗山監督は「ピッチャーのことができてから両方を意識させる」と、先発ローテとして軸を置きつつも、野手としても出場させることを明言。二刀流を継続させる方針だ。
今季はベーブルース以来の10勝&10本塁打以上を成し遂げた。来季はさらなる成績の上積みへ期待がかかる。二刀流として十分のような気もする結果を残したが、ローテ投手の中心として栗山監督が求めるものは高い。
「チームトップの数字は関係ない。そんなもん全然。去年(2013年)20なん勝もするピッチャーがいた。それくらいの成績を残したら文句は言わない」と、チームの勝ち頭として、楽天・田中(現ヤンキース)超えに期待する。
大谷自身も今年を戦い終え、確かな手応えがある。投球フォームがばらつくことが少なくなった点だ。「前半と後半を比べても技術的にフォーム的におかしくなったり、気になったりすることが何かあったわけではない」と明かした。フォームが一定しなかったプロ1年目とは違う。最速162キロのフォームが安定しつつあるからこそ、フォーム固めに励んでいる。
激動のシーズンが終わったばかりだが、ファイナルSを終えてから、3日ほど休養に充て、25日からは千葉・鎌ケ谷で秋季練習を開始した。そして29日から沖縄・国頭村に移動して秋季キャンプに参加している。
「新しいことというより、これまでやってきたことを継続しようと。フォーム固めですとか」と話す。今季、習得できたことを、秋季練習で完全マスターできるように取り組む。3年目の来季へ、すでに歩み始めている。
(デイリースポーツ・水足丈夫)