地獄見た元中日コンビのリベンジ
地獄を見た元中日コンビが、これまでライバルだった巨人のユニホームを着て逆襲に転じる。巨人は今オフ、ともに中日を戦力外となった堂上剛裕外野手(29)と吉川大幾内野手(22)の2人を獲得。堂上は育成、吉川は支配下での契約となった。
堂上は今季こそ6試合の出場に終わったが、12年には85試合に出場し打率・282をマーク。15、16日に行われた入団テストではフリー打撃で特大弾を放つなど猛アピール。原監督も「非常に良かった。目ん球を見ると生き生きとしている」と評価し、合格を勝ち取った。
一方の吉川は10年度ドラフト2位。PL学園の先輩で“ミスタードラゴンズ”の立浪和義氏が背負った背番号「3」を引き継いだ有望株だった。今秋のフェニックス・リーグにも参戦していたが、途中で名古屋に強制送還され、その後戦力外が言い渡された。
二遊間のスペシャリストとしての期待がかかる吉川は「全員がライバル。一度は死んだ身なので、思い切ってやろうと思って決めました」と早くもやる気十分。まだ22歳と若く、原監督は「伸びしろがあって、可能性がある」とさらなる覚醒を期待している。
巨人は昨オフ、中日を自由契約となった井端を獲得した。攻守にいぶし銀の活躍を見せ、リーグ3連覇に貢献。獲得は大成功だった。2匹目のドジョウを狙ったわけではないだろうが、十分に活躍の可能性はある。
2人とも、中日への恨み節どころか感謝を口にする。「ここまで来られたのもドラゴンズのおかげ」(吉川)、「名古屋でプレーをさせてもらったので、感謝の気持ちを込めて頑張りたい」(堂上)。だが、球場で古巣と対峙すれば話は別。反骨心に火が付くのは間違いない。
リーグ4連覇を目指す来季。CSで敗れた阪神へのリベンジが至上命題となるが、2人の古巣へのリベンジ劇も、見どころのひとつになるかもしれない。
(デイリースポーツ・野畑圭司)