横峯さくらが米ツアー参戦を決めたワケ

 女子プロゴルフの横峯さくら(29)=エプソン=が来季、米女子ツアーに参戦することになった。今月初めの出場最終予選会(フロリダ州)に参加し、20位以内で出場権が得られるところを、11位で通過。プロ転向12年目のシーズンは米ツアーを主戦場として戦うわけだが、長く横峯を見てきた記者としては、この米ツアー参戦にいくつかの疑問を抱いた。

 そこで、かつては娘の“迷”キャディーも務めた父・良郎氏(54)に登場願い、今回の一連の動きの“解説”をしてもらった。

 疑問その1 今まで米ツアーの「べ」の字も言ったことがなかった横峯がなぜ、突然のように参戦を決めたのか?良郎氏自身も常々「ギャラリーも少なく、注目度の低い米ツアーより日本ツアーの方が全然いい」と話していたが。

 良郎氏「それはさくらが結婚したのが大きいと思うよ」

 横峯は今年4月にメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(33)と入籍。今月20日には都内で華燭の典を挙げた。

 良郎氏「さくらも女性だからさ、彼氏ができると変わるのよ。森川さんが語学ができるのも大きいよね。アメリカに行っても言葉に困らないから。さくらひとりだったら、米ツアー参戦なんて絶対できません」

 疑問その2 森川氏との出会いで考えが変わったにしても、29歳になった今、なぜこのタイミングで米ツアー参戦なのか?

 良郎氏「再来年のオリンピックが大きいんじゃないかな」

 16年リオデジャネイロ五輪から正式種目に採用されるゴルフの五輪代表選手は、現時点では、16年シーズン中盤のロレックスランキング(世界ランク)で各国の上位2人が選ばれることになっている。

 良郎氏「さくらはオリンピックに出たいんだと思うよ。米ツアーの方が世界ランクを上げるためのポイントが高いんでしょう。優勝でもすれば、すぐにオリンピックが見えてくるからね」

 ロレックスランキングはランク上位の選手が多く出場している試合のポイントが高く、世界のトップ選手が集中する米ツアーは当然最もポイントが高く設定される。確かに世界ランクを上げようとすれば、米ツアーで活躍するのが手っ取り早い。ちなみに最新ランクの日本勢は大山志保が45位、横峯が48位、成田美寿々が61位となっている。

 疑問その3 横峯は以前から30歳で結婚・引退したいと話していたが、その話はもう立ち消えになったのか?

 良郎氏「ない、ない、30歳で引退なんてしないよ」

 疑問その4 日本では賞金女王(09年)、101試合予選落ちなし(13年)、生涯獲得賞金10億円(14年)など数々の金字塔を打ち立てた横峯だが、米ツアーでは活躍できるのか?

 良郎氏「ゴルフっていうのはね、優勝した週の翌週に予選落ちなんてのがよくある。つまり、その選手にどれだけコースが合っているかが成績に表れるわけ。さくらはそれがないでしょ。どんなコースでも予選を通るんだから。てことは本当にうまいのよ。アメリカのコースだって同じよ。あとさ、森川さんがついていてくれて、言葉の苦労がないのも大きいよ」

 疑問その5 最後に、良郎さんの娘への影響力はかなり弱っているように見えるが。

 「それは……ちょっと…複雑よ…」-。

(デイリースポーツ・松本一之)

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