実現するか河野-亀田戦 WBA再指令
世界ボクシング協会(WBA)が5日、同世界スーパーフライ級王者・河野公平(34)=ワタナベ=と元3階級制覇王者で同級2位の亀田興毅(28)に指名試合を行うよう指令を出した。30日間の交渉期間中にまとまらなければ同試合の興行権は入札となる。河野-亀田興戦は、いろいろと考えさせられる。
WBAは昨年も両陣営に同じ指令を出したが、亀田ジムの会長、マネジャーが日本ボクシングコミッション(JBC)から資格をはく奪され、日本で試合ができないなどの理由で流れている。JBCは亀田ジムが資格失効中の事情をWBAに説明している。
こうした状況が全く変わらない中、再びの対戦指令。JBCが認可したジムの選手以外はリングに上がれないという日本独特の「ジム制度」が海外では理解されないのか。今回は亀田をプロモートする米国の大物代理人、アル・ヘイモン氏が動いており、海外での開催が有力だ。
亀田興は言う。「日本人同士のスーパーフライ級のタイトルマッチなんて、アメリカで誰が見るねん。こんなん笑われるで」。日本で開催すれば大きな話題になるに違いない一戦も、米国では「?」だ。とはいえ、河野-亀田興戦は今後にも影響を与えそうだ。
まず思い浮かぶのがWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)とWBO世界バンタム級王者・亀田和毅の統一戦。和毅は4月に米国でWBA同正規王者のジェイミー・マクドネル(米国)と統一戦を行う予定で、和毅が勝てば山中との統一戦はがぜん注目される。
米国の大舞台、他団体王者との統一戦を目指す山中にとって、日本のリングに上がれないとはいえ2つのベルトを巻いた和毅は無視できないターゲットだろう。夢の対決は実現するのか。まずは河野-亀田興戦の行方に注目している。(デイリースポーツ・津舟哲也)