体操ニッポン 中国にリベンジなるか!
37年ぶりの団体金メダルを狙う体操の世界選手権(10月・英グラスゴー)男子代表メンバーが決まった。すでに決定していた絶対王者の内村航平(26)=コナミスポーツク=、個人総合で代表入りした田中佑典(25)=コナミスポーツク=、加藤凌平(21)=順大=に加え、先日の全日本種目別選手権で白井健三(18)=日体大=、萱和磨(18)=順大=、長谷川智将(22)=日体大=の3人のスペシャリストが代表入りを果たした。
全日本種目別では選考基準により団体戦(6-3-3方式※6人中各種目3人が出場し、3人の得点が採用)を見据え、内村、田中、加藤の3人との組み合わせで最も得点が高くなる3人が選出された。白井は13年に世界王者にもなった得意の床での圧倒的な得点が決め手。萱はあん馬、長谷川はあん馬と鉄棒での貢献度が効いた。
昨年の世界選手権団体戦では、わずか0・1点差で、宿敵中国に敗れた。昨年のメンバーと比較では、萱、長谷川の2人のスペシャリストが入ったあん馬で得点の上積みが見込めそうな一方で、課題となるのはつり輪だ。昨年の大会後、内村はつり輪が得意な同僚の山室光史(コナミスポーツク)に「つり輪が得意な選手がいれば」と、代表復帰への期待を口にしていたという。ただ、今回のメンバーではつり輪は内村、田中、加藤のオールラウンダー3人が出場せざるを得ない状況。加藤は「僕が一番苦手なつり輪に出る可能性が高い」とした上で「世界選手権までに得意種目にしたい」と、得点の底上げを誓った。
また、絶対的なエース、内村への負担増も気掛かりだ。昨年の団体戦で内村は、全6種目中5種目に出場。田中、加藤、野々村笙吾(順大)と平行棒を得意とする3人がいたため、平行棒は温存された。ただ、今年の顔ぶれに内村は「見た感じ、今年は休めそうにないかなと思ってる」と、おどけながら一言。団体でも6種目、6連覇の懸かる個人総合でも6種目、そして種目別とハードな大会となりそうだが「ただ、その覚悟は毎年ある。過酷な戦いになりそうだけど、団体でも6種目やってもいいように、心構えはしてる」と、自らを鼓舞するように話した。
内村は08年北京五輪から、団体戦では常に中国の後塵を拝してきた。狙うは金メダルのみ。「穴はつり輪。ただ、あん馬で稼げるからプラスマイナスゼロ。心配してない。とにかくミスをしなければ、日本は勝てる。団体の金メダルしか考えていない」。新たな色が加わったチームをけん引し、打倒中国に挑む。(デイリースポーツ・大上謙吾)