快進撃が続く堀宣行調教師

 上半期のグランプリ・宝塚記念が終了、15年の中央競馬は折り返しを迎えた。今年の前半戦を振り返って、強く印象に残ったのは堀宣行厩舎の快進撃だ。28日終了時点で30勝を挙げリーディング1位。勝率、連対率でも首位をひた走る。

 中身も充実している。ドゥラメンテが皐月賞、ダービーを制し、史上23頭目の春のクラシック2冠を達成。安田記念ではモーリスが4連勝でG1初制覇を果たした。

 また、4月5日から6月14日までJRA11週連続勝利をマーク。競走体系が大幅に刷新された84年以降では、07年の中村均調教師に並ぶタイ記録だ。素質馬が顔をそろえるとはいえども、容易に積み重ねられる数字ではない。

 活躍は国内だけにとどまらない。11年安田記念の覇者リアルインパクトが今春、オーストラリアのG1を転戦。初戦のジョージライダーSを制すると、続くドンカスターマイルでも見せ場十分の2着と健闘した。

 堀調教師のインタビューを聞いていると、向上心が垣間見える。好結果が出ていたとしても、現状に満足することはなく、より高いレベルを追求する-。その姿がある人物とシンクロした。プロ野球・ソフトバンクの中心打者として活躍する内川聖一外野手。セ、パ両リーグで首位打者を獲得、7年連続で打率3割をマークしている球界を代表するヒットメーカーだ。

 野球担当時代、この男が高みを目指して努力する姿を目にしてきた。快打を連発した翌日でも必ず早出特打を敢行。全体練習の前に室内練習場をのぞくと、常に内川の姿があった。輝かしい成績を残す両者に共通するキーワードがある。人並み外れた向上心だ。

 堀厩舎は目下、年間60勝のペースでVを量産している。エース・ドゥラメンテが骨折で戦線を離脱したのは残念だが、下半期もトップステーブルから目が離せない。

(デイリースポーツ・堀江浩二)

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