3位浮上ロッテ、パCS戦線を賑わす 

 パ・リーグの3位争いが面白くなってきた。前半戦終盤で7連敗を喫し、約2週間前には借金7を抱えていたロッテは、7月24日の楽天戦から7連勝で巻き返し、現在3位に浮上。コマ不足に悩まされていた投手陣に、安定感が生まれたことが、何よりの要因だ。

 オールスター休み期間中に行った全体練習で、伊東監督は、投手陣全員を集めてゲキを飛ばした。「まず防御率を減らしていこう」。リーグワーストの防御率4点台で前半戦を折り返した。前半8勝を挙げていた勝ち頭のイ・デウンですら、その時点で3点台に届いていなかった。今後、CS圏内を狙いに行くならば、ここを改善するしかない。すなわち、この数字を引き下げれば、自ずと勝機は近づいてくる。ごくシンプルな目標は、指揮官からの厳命だった。

 後半戦計13試合で、4失点以上はたった2試合。指揮官は「先発投手がしっかり抑えて、投手戦を競り勝つという、理想の戦いができているということ」とうなずく。4日のオリックス戦後に、ついに3点台に推移した。

 その中でも、9年目にしてようやく本格ブレークしたかに見える大嶺祐の存在が大きい。6日現在で15試合に登板し、規定投球回数には達していないものの、5勝4敗、防御率は2・76。指揮官も「今チームで1、2を争う安定感」と目を細める。田中(現ヤンキース)、前田(広島)らと同学年の「88年組」の大嶺祐。06年の高校生ドラフト1位で入団し、期待されながら、これまで09年の16試合登板、5勝が最高成績と伸び悩んでいた。立ち上がりに四球で自滅し、1軍と2軍を行ったり来たりしていたが、今、ようやく頼れる存在となった。

 05年、10年と日本一に輝いたロッテ。今季は「5年に1度のゴールデンイヤー」とも称されるが、05年は清水直、渡辺俊、小林宏ら生え抜きの先発投手陣が活躍。3位からの日本一に輝き「史上最大の下克上」とうたわれた10年も、エース成瀬が立役者であり、軸となる生え抜き投手の存在が不可欠であることは言うまでもない。今であれば、大嶺祐、そして唐川らが期待どおりの働きを見せることが、今後のチームの浮沈につながる。3位以下が僅差でひしめき合う混戦模様を抜け出すカギは、この辺りになりそうだ。(デイリースポーツ・福岡香奈)

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