【野球】デーブ 歌舞伎町進出断念
「来年から歌舞伎町で居酒屋のオヤジをやるんで、新宿にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください!」-。
10月6日。強烈なスピーチで楽天監督を締めくくった大久保博元氏。退任から約2週間がたった現在、軌道修正を図りながらも「夢だった」という「居酒屋のオヤジ」へ向けて少しずつ前進している。
当初予定していた歌舞伎町への出店は「(値段が)話にならなかったんだよ」と家賃交渉が難航し断念。次なる目的地はサラリーマンの街・新橋に決めた。複数ある候補から物件を当たっているといい「新橋だったら、昼間もランチ営業ができるな。弁当もやっちゃおうかな」とうれしそうに笑った。
結果が伴わず、思うようにいかなかった監督業。わずか1年での退任に「Aクラスに入れなかったら辞めようと決めていた」と、すがすがしい表情で話す一方「またやりたいな、という自分もいるんだよな」と複雑な思いも吐露した。そんな大久保氏を励ましてくれたのが、2人の“前指揮官”だった。
1人が、自らが「人生の師匠」と仰ぐ、DeNAの中畑清前監督。そして、もう1人が19日に退任会見を行った巨人の原辰徳前監督だ。中畑前監督とは「まさか同じ年に最下位で辞任になるなんてなあ」などと語り合い、原前監督からは「デーブさ、これからはゆっくりやろうよ」とねぎらわれたという。
自らを「せっかち」と分析する大久保氏。だが「ゆっくり、と言われて、そうだよなと思ったよ」という。その言葉通り、店の物件、都内での新居選定も慎重に慎重を重ねている。また「知り合いへのあいさつ回りが終わってないから」と今でも仙台に住みながら“新天地”への準備を進めている。
居酒屋ではこれまでに全国を転々とした経験を生かし、その土地の名物をメニューとして出す予定だという。自身の人脈を生かし、レシピを入手し、経営を学んでいる。
「できる限り、店に顔を出す。解説をやったとしても、その後から店に行けるだろうし」と自らもてなすつもりだ。原前監督からは「居酒屋やるんだって?今度食べに行くよ」とこれ以上ない言葉をもらい、ますます意気盛ん。その表情は、監督時代には見られなかった底抜けの明るさがあった。
(デイリースポーツ・野畑圭司)