【野球】巨人“外国人7人体制”の理由
巨人が年内の戦力補強を終了した。課題の貧打解消に向けて、助っ人野手はロッテからルイス・クルーズ内野手、前ヤンキースのギャレット・ジョーンズ外野手を獲得。来季は投手、野手の“外国人7人体制”でシーズンをスタートさせる見通しとなった。
気になるのは、1軍に与えられる4つの外国人枠を巡る争いだ。野手はクルーズとジョーンズのほかに、来季3年目となるアンダーソンが残留。投手では今季13勝のマイコラスと快速左腕のポレダ、経験豊富なマシソンと若手有望株のメンドーサが残り、今季と同じ顔ぶれとなった。
4枠の使い道について、堤GMは「いろいろなパターンが考えられる。投手3、野手1になるのか。2、2になるのか。これは現場が決めることになるが、誰かが犠牲になるのは仕方ないこと」と話す。ジョーンズは4番候補、クルーズは正二塁手候補として期待されるが、今季の働きぶりからマイコラスとポレダも先発ローテ候補として欠かせない存在。リリーフ陣も盤石ではないだけに、マシソンの力も貴重なものになってくるだろう。
球団が手厚い“外国人7人体制”を敷くには訳がある。リーグ優勝を逃した今季。序盤から野手陣に故障者が続出し、戦力レベルの維持ができなかった。また、途中加入したフランシスコが2軍降格後にモチベーションが降下。戦力として全く機能しなかった。
この2点を球団は反省。戦力を厚めにし、現場が外国人の入れ替えも臨機応変にできるような陣容に整えた。新外国人獲得にあたっては複数候補者と面接を行い、さらに周辺関係者の聞き取りなどで素性を調査。ジョーンズは人間性でも評価され、チーム事情や日本野球への理解も得られたことから、獲得に踏み切ったもようだ。
堤GMは「来季は高いところで競争してほしいと思っている」という。コンディションやチーム状況次第では、外国人も頻繁に入れ替えが行われる可能性もある。高橋監督の起用法に、注目が集まりそうだ。(デイリースポーツ・佐藤 啓)