【野球】ヤクルト3番固定山田以外は…
今季14年ぶりのリーグ制覇を果たしたヤクルト。その要因がセ・リーグ随一の破壊力を誇った打線であることは間違いない。
バントをしない超攻撃型の2番・川端が打率・336で首位打者に輝いた。その後ろには、山田と畠山が君臨した。山田はトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成し、38本塁打、34盗塁などタイトルを取った。畠山も105打点で打点王を獲得した。
いわゆる“三冠”を独占したスラッガーが、そろう超強力なオーダーがセ他球団を震え上がらせた。連覇を目指す来季、真中監督は今季の打順にはこだわらない方針を示している。
「(山田は)3番だと思っている」と指揮官は明言しているが、固定する3番・山田以外に関しては大胆に打順を組み替える可能性も否定はできない。例えば、1番に入れる打者の調子なども考慮した上での話になりそうだが、川端をリードオフマンとして起用することも選択肢の一つだろう。
クリーンアップはもちろんだが、打線全体でも他球団にとっては、来季も脅威の的になる。3番・山田の後ろに畠山、バレンティン、雄平ら実績のあるスラッガーがずらりと並ぶ可能性もあるのだ。 今オフには坂口、鵜久森という新戦力が加入し、外野陣の争いもし烈になった。新外国人投手を一気に3人獲得した兼ね合いもあったが、ミレッジの退団が決定した。これも球団が、外野陣の層が厚くなったと判断した上でのことだった。真中監督も外野のポジションは白紙を強調しており、今季よりも強力な布陣になることは間違い。今季故障がちだったバレンティンが、完全復活すれば鬼に金棒だ。
投手陣に目を移せば小川、石川、館山と先発3本柱はそろうが4番手以降は不透明。ストッパーのバーネットが退団したという不安要素もある。だが打線に関していえば、来季もセ界トップクラスの陣容だ。2年連続の頂を目指す上で、ニューバージョンのオーダーが機能するかが、ツバメ軍団にとっては鍵となりそうだ。(デイリースポーツ・伊藤玄門)