【野球】広島・土生 広陵同期追い越せ
プロ5年目にしてようやく1軍の舞台に立った広島の土生(はぶ)翔平外野手(26)。5月31日に念願の初昇格を果たした。3日・ソフトバンク戦(マツダ)で「6番・右翼」で初のスタメン出場すると、右前に初安打も放った。
「ようやくというか長かったです。本当にラストチャンスだと思っていた。これからが勝負。死にものぐるいでやっていくだけ」
広島・広陵高校出身で、07年夏の甲子園では主将として野村、巨人・小林誠と共に準優勝に輝いた。その後、早稲田大学に進学し、3年秋には首位打者を獲得。4年時には、主将を務めるなど野球のエリート街道を歩んできた。
野村祐輔投手(26)、菊池涼介内野手(26)らが、指名された11年のドラフトで4位入団。「同級生が活躍して、焦る気持ちもあった。でも、そこで焦ってもしょうがないので、しっかりと力を付けてからと思っていました」。地道な努力を積み重ね1軍切符をつかみ取った。
「人と比べるのではなく自分のやるべきことだけを考えていました。モチベーションを保つためには、辛抱強くやるしかない」と自らに言い聞かせ4年間、黙々と練習に打ち込んだ。
背水の覚悟で臨んだ今季。ウエスタン・リーグでは、40試合で打率・343、2本塁打。1軍から声がかかるのを待ち、猛アピール。緒方監督は「ファームで頑張ってきた。起爆剤になってほしいという思いがある」と好調な若こいを抜てきした。
昇格後は、5試合に出場。8打数1安打と期待に応えることができず、6日に出場選手登録を抹消された。「結果が求められる世界。1振り1振りが勝負だと思うので集中していかないといけない」と土生。さらなる打撃力向上で、再昇格を目指す。(デイリースポーツ・井上慎也)