【競馬】小倉リーディング目指す新鋭・松若は穴の使者
7月30日から夏の小倉開催がスタートする。期間は6週間。夏の小倉リーディングジョッキーの上位には、若手騎手が食い込むことも多い。10年にはデビュー初年度の高倉稜騎手が6位に、11年に3位に食い込んだのはデビュー2年目の川須栄彦騎手だった。その中で、今年は新鋭・松若風馬騎手に注目したい。
デビューした14年、夏の小倉で10勝を挙げてリーディング4位。昨年は9勝で5位だったが、アズマシャトルで小倉記念制覇。重賞初勝利を飾った。そして、馬券好きにとって見逃せないのが単勝回収率。昨夏の小倉で記録した282%は、リーディング上位20人のなかでも断トツで、200%超えは松若しかいない。
1位・川田将雅=61%
2位・浜中俊=48%
3位・松山弘平=91%
4位・和田竜二=38%
いかに人気のない馬を勝たせているか。松若よりも上位にいる4人の数字を見れば、いかにすごい数字かが分かるだろう。
「小倉は好きですし、乗りやすい。暑いのも好きで、モチベーションも高くなる」。こう語るのは松若。「より積極的に乗るようにしています。小倉は小細工が効くコース。直線が長いと、馬の能力差が出やすいけど、小回りは騎乗技術次第で上の着順に持ってこられる」と好成績を挙げる理由を説明する。
小倉でも特に強い条件がある。14年に挙げた10勝のうち、5勝がダート1700メートル。9勝を挙げた15年もダート1700メートルで4勝した。ダート1700メートルの番組が多いのも確かだが、馬券を買う上で参考になるのではないか。「ある程度前で競馬を、というのは意識します。前に行かないと厳しい」。彼が関係者から高く評価されているのがスタートセンス。スタートが苦手な馬も、松若の手にかかれば好発を決めることも。そんなセールスポイントが存分に生きるから、小倉コースが得意なのかもしれない。
身長は151センチと小柄だが、デビュー当時はひ弱に感じた体がひと回り大きくなって、パンプアップしている。「体重が3~4キロほど増えているし、専属のトレーナーをつけて筋肉を増やしました」と話す。2014年、JRA賞最多勝利新人騎手に輝いて3年目。「やはり目標は小倉リーディング!」。川田、浜中に加え武豊、岩田康誠も参戦して激戦区の小倉だが、伸びしろ豊富な西のホープが今年の夏も大暴れする。(デイリースポーツ・井上達也)