【サッカー】ハリルジャパンの大きな変化 ミーティングの短縮化は信頼関係の表れか
6大会連続のW杯出場を目指しているサッカー日本代表。6日のアジア最終予選・イラク戦(埼玉)では、MF山口蛍(C大阪)が試合終了間際に劇的な決勝ゴールを決めて勝利を挙げた。11日には同組内で最も強豪と目されるオーストラリア代表と敵地・メルボルンで対戦する。
今遠征から、チーム宿舎内では変化が起きている。バヒド・ハリルホジッチ監督がメンバー発表の会見時で自ら明かしていた、「ミーティングの時間と回数を少なくする」というものだ。現在の代表チームには欧州でプレーする選手が多く、それらの選手は、代表戦のたびに日本までの長距離の移動をしてから試合に臨むことになる。指揮官が「(時差ボケなどで)ミーティング中に寝ている選手がいた」と明かしたように、長時間のミーティングが負担に感じていた選手がいたということになる。
その現状を憂慮し、9月のタイ遠征中に、主将MF長谷部誠(Eフランクフルト)がチームの意見を集約。同月1日のUAE戦で敗北を喫しただけに、ハリルホジッチ監督に対してミーティングの短時間化など、選手側が考えている改善策などを伝えた形だ。長谷部は詳細までは語らなかったが「相談したのは、ミーティングだけではない。選手の要望を聞き入れて変化したこともあれば、そのままだったこともある」と説明をした。
これはハリルジャパンにとっては大きな変化と言える。ハリルホジッチ監督は厳格な指揮官であり、就任当初は、宿舎内で昼食後の休み時間に他人の部屋へ行くことを禁じたり、散歩なども許可制にするなど選手の行動に多くの制約をつけていたほどだ。「試合前には必ず、全選手が我々はどのようなプレーをするのか、相手がどのようなプレーをしてくるか把握しているような状況にしたい」と語るように、ミーティングについては強いこだわりを持っている。そんな指揮官が、ミーティング時間を圧縮したのは、柔軟性と共に選手との信頼関係も感じさせる部分もある。
初戦のUAE戦に敗れたことは、紛れも無く痛いことではあったが「負けたことで見えてきたものもある」と長谷部。改善と向上を繰り返して、6大会連続のW杯切符をつかんでほしい。(デイリースポーツ・松落大樹)