【スポーツ】プロレス界に世代交代の波?20代王者が続々誕生

 地味で目立たない変化であるのは否めない。だが、プロレス界にとって、今年は世代交代の1年だと言っていいだろう。各団体で20代の王者が次々と誕生したからだ。

 新しいところでは、23日のノア・横浜文化体育館大会で46歳の杉浦貴を下してGHCヘビー級王座を初めて手にした28歳の中嶋勝彦。全日本プロレスでは2月に、中嶋と同じ健介オフィス出身で27歳の宮原健斗が3冠ヘビー級王者となった。

 全日本から分裂したWRESTLE-1では8月に28歳の稲葉大樹がWRESTLE-1チャンピオンシップ、大日本プロレスでは24歳の神谷英慶がBJW認定世界ストロングヘビー級王座を獲得。DDTでも、後に41歳の石川修司に王座を奪われたものの、5月に竹下幸之介がKO-D無差別級王座を同王座の史上最年少記録となる21歳で奪取した。

 さらに、ここ数年に躍進を続けている新日本プロレスのけん引車であるIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカも28歳。ドミノ現象のような“政権交代”の連鎖反応によって有力団体の最上位王座の顔ぶれが一気に若返った。

 だが、周囲が歓迎ムード一色なのかといえば、残念ながらそうでもない。中嶋が王座を奪取した直後には客席から厳しい声が飛び、稲葉の次期挑戦者である河野真幸に至っては「彼らが若い力でって言い出したことによって、客足は悪化してねえか」などと辛らつな言葉を浴びせた。

 言うまでもなく、プロレスラーはチャンピオンベルトを腰に巻くだけで評価が付いてくるわけではない。王者はファンを満足させる戦いができれば尊敬を受けるが、そうでなければ他の選手よりも厳しく批判される。中嶋が王座奪取の一夜明け会見で「ただベルトを獲っただけですから。いろんな声がありましたけど、自分で動かした針は止まらないし、止めることはできない。納得させます」と話したように、周囲の声は自分の力で変えるしかない。

 あと2カ月あまりで今年も終わる。来年は若い王者たちが、ベルトの移動という形だけではない、本当の世代交代を実現できるかに注目だ。(デイリースポーツ・洪 経人)

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