【野球】阪神・メッセンジャー 5年連続3000球超えの信頼度はピカイチ 球史に残る名助っ人
阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)は、来季で在籍8シーズン目に突入する。球団の助っ人ではジーン・バッキー投手(62~68年)、ジェフ・ウィリアムス投手(03~09年)の7年を抜き、史上最長の在籍年数。14年に最多勝、13、14年に最多奪三振のタイトルを獲得した実績はもちろん、タフネスぶりが際立つ超優良助っ人だ。
来日1年目の10年はリリーフとしてスタートし、2軍落ちも経験。5勝止まりだった。しかし2年目から先発ローテに定着し、今季までの6シーズンで5度の2桁勝利をマークした(2桁勝利を逃した15年は9勝)。この6シーズンは全て25試合以上、150イニング以上を投げており、12年から15年は190イニングを超えている。またセ・リーグのシーズン投球回トップに3度立っている。
投手は主要タイトルである防御率、勝利、奪三振などに注目が集まるが、コンスタントに投球回を重ねる投手は、チームにとっては非常に大きな存在だ。当然、故障で離脱したり、投げるたびに打たれていては、投球回を重ねることはできない。長期離脱しないことと、一定以上の結果を残すことの2つをクリアし、初めて数字が積み上がる。
メッセンジャーのタフネスぶりを証明する数字のもう一つが投球数だ。今季はセ・リーグで唯一の3000球超えとなる3218球。続くのは阪神・藤浪の2948球だから、メッセンジャーの投球数がいかに多いかが分かる。しかもシーズン3000球を超えたのは、これで5年連続だ。
米国は肩の酷使に敏感で、先発投手は100球前後をメドに降板するのが一般的だ。しかしメッセンジャーは今季、7月30日の中日戦での144球を筆頭に、130球超えが4試合もある。チーム事情で中4日、中5日で投げることもいとわない。チームの信頼感は絶大だ。
金本監督は、来季もメッセンジャーに開幕投手を任せる方針を打ち出している。実現すれば3年連続4度目の栄誉。来年8月には36歳となるが、信頼は揺らぐことはない。決して派手ではないが、阪神だけではなく、プロ野球の歴史に残る名助っ人と言えるだろう。(デイリースポーツ・足立行康)