【野球】一度も年俸が下がらなかった男…プロ生活10年以上、引退までダウン知らず
プロ野球選手にとってオフのこの時期は悲喜こもごも。契約更改で年俸アップを勝ち取る選手もいれば、そうでない選手も。そんな浮き沈みが激しい世界で、プロ入りから10年以上プレーし引退まで一度も減額されたことのない選手がいる。近年では、今季限りでロッテのユニホームを脱いだ青松慶侑だ(金額は推定。敬称略)。
青松は05年からの12年間、ロッテでプレー。12年まで捕手登録で13年から内野手としてプレーした。その間の年俸推移は
05年=450万円、06年=460万円、07年=470万円、08年=470万円、09年=480万円、10年=500万円、11年=500万円、12年=500万円、13年=500万円、14年=600万円、15年=630万円、16年=690万円
数億円を稼ぐ選手が何人もいるプロ野球の世界では金額は控えめだが、微増や現状維持を繰り返し“減給”を免れている。1軍通算成績は26試合に出場して打率・214、1本塁打、5打点。盗塁は記録しておらず、唯一の本塁打は15年6月6日のヤクルトとの交流戦だった。15年の2軍戦では85試合で打率・298、15本塁打、43打点をマーク。イースタン・リーグで首位打者と本塁打王の2冠に輝いている。
ちなみにONも“減俸知らず”だった。巨人・長嶋は1974年12月29日に、現役最後の契約更改交渉に臨んだ。デイリースポーツ紙面は、コーチ料60万を含む4985万円で現状維持と報じている。
王貞治は1年契約を更新し続けた。1979年12月14日、現役最後の契約交渉では、21年連続となる一発サイン。この年は打率・285、33本塁打、81打点で、いずれも前年を下回り、王自身も「今年は下げられても仕方ないと思っていた」とコメント。それでも、成績以上のものを球団から評価され現状維持の8160万円だった。
現役選手に目を向ければ、巨人・山口も1年目の06年からダウンしたことがない。育成選手として入団し、年俸は240万円からスタート。今年の契約交渉では現状維持となる3億2000万円でサインした。
ただ山口は15年からの3年契約。複数年契約で年俸の金額も維持される。単年契約で減額を経験していない青松のケースは珍しい。(デイリースポーツ・折原良輔)