【野球】殿堂入りの2人に匹敵!「星野&平松世代」岡山ゆかりの選手たち

 岡山県出身の星野仙一氏(69)と平松政次氏(69)がこのほど、エキスパート部門で野球殿堂入りを果たした。岡山県出身者としては6、7人目となる。星野氏が1学年上だが、同じ1947年生まれ。岡山ゆかりの選手を探すと、2人を筆頭に昭和4、50年代に活躍し、実績のある選手がたくさんいる。

 倉敷商から明大を経て中日に入団し、通算146勝を挙げた星野氏は、監督として中日、阪神、楽天を優勝に導いた。岡山東商から日本石油を経て大洋(現DeNA)に入団した平松氏は「カミソリシュート」を武器に通算201勝を挙げた。見逃せないのが、巨人戦で通算51勝だろう。

 2人の成績に匹敵するのが、星野氏の倉敷商の1学年後輩で平松氏と同級生の松岡弘氏(69、倉敷商-三菱重工水島-サンケイ、ヤクルト)だ。高校時代は星野氏のかばん持ちだったが、スワローズ一筋18年で星野氏の勝ち星を上回る通算191勝を挙げている。200勝に9勝足りないため名球会には入っていないが、78年には16勝を挙げエースとして日本一に貢献した。

 平松、松岡両氏と高校時代に「岡山三羽がらす」と言われた関西の森安敏明氏(故人、関西-東映=現日本ハム)は、ドラフト1位でプロ入り。初登板初完封勝利を挙げるなどルーキーイヤーから4年連続2桁勝利を挙げるなど5年間で58勝を挙げた。将来を嘱望されたが、球界を揺るがした黒い霧事件で永久追放となっている。

 平松、松岡、森安3氏の同級生で、高校3年時に投手となり「四天王」とも呼ばれた片岡新之介氏(69、倉敷工-芝浦工大-クラレ岡山-西鉄=現西武-阪神-阪急=現オリックス)は、高校卒業後に捕手となり現役21年、広島のコーチとして22年を合わせると43年もプロのユニホームを着続けた。

 47年生まれの5人だけでも十分な活躍だが、星野氏の2学年上で既に殿堂入りしている大杉勝男氏(故人、関西-丸井-日拓、東映、日本ハム-ヤクルト)は、歴代9位の486本塁打を放ち、2度の本塁打王と打点王を獲得。松岡氏とともにヤクルトの日本一に貢献している。

 平松氏と入れ替わり、つまり47年組の3学年下となる奥江英幸氏(66、岡山東商-日本石油-大洋=現DeNA-ロッテ)は、平松氏と同じ道を歩み、通算53勝を挙げた。大洋時代には平松氏とともにローテーション投手として活躍。球宴にも出場している。

 奥江氏と同級生には、星野氏の後輩となる加藤安雄氏(66、倉敷商-明大-熊谷組-阪急=現オリックス)がおり、プロでの実績は乏しいが指導者として球界に貢献した。

 2人の1学年下の仁科時成氏(65、山陽-大倉工業-ロッテ)は、通算110勝を挙げロッテ投手陣の屋台骨を背負った。仁科氏で有名なのは、2度も九回2死までノーヒットノーランに抑えながら、あとアウト1つのところで安打を許したことだ。この下になるとデイリースポーツ評論家でもある岡義朗(63、岡山東商-広島-南海=現ソフトバンク-阪神)、守岡茂樹氏(63、岡山東商-広島)、剣持節雄(岡山日大-広島-ロッテ-中日)がプロ入り。

 昭和50年代になってからは、広島黄金期を投手陣の柱として支えた山根和夫氏(61、勝山-日本鋼管-広島-西武)だ。常勝チームのエース格として通算78勝を挙げた。

 岡山出身ではないが、社会人野球のクラレ岡山に在籍してプロ入りした3氏も紹介したい。実績一番の門田博光氏(68、天理-クラレ岡山-南海=現ソフトバンク-オリックス-ダイエー=現ソフトバンク)は、歴代3位の567本塁打を放ち3度の本塁打王、打点王も1度、獲得している。79、80年の日本シリーズで近鉄の1番打者として活躍した平野光泰氏(67、明星-クラレ岡山-近鉄)もいる。そして平松氏と同級生の得津高宏氏(69、PL学園-クラレ岡山-東京、ロッテ)は、74年のロッテ優勝に貢献している。この3人も星野、平松両氏と同世代と言っていいだろう。

 両氏より先輩になるが、通算189勝を挙げた石井茂雄氏(77、勝山-阪急-太平洋、クラウン=現西武-巨人)も昭和4、50年代に活躍した。

 古くは殿堂入りている通算193勝を挙げた秋山登氏(故人、岡山東商-明大-大洋=現DeNA)や、秋山氏と高校時代からバッテリーを組んだ土井淳氏(83、岡山東商、明大-大洋=現DeNA)、阪神で鉄壁の三塁手だった三宅秀史氏(82、南海高-大阪、阪神)と一流の活躍をした先輩もいる。

 後年も結果を残した岡山ゆかりの選手はいるが、「星野&平松世代」ほど多数の選手が実績を残した時代はないだろう。(デイリースポーツ・岩本 隆)

◆岡山ゆかりの投手通算成績◆

                                      

名前   (球 団) 生まれ年 試合   勝  敗    S 防御率

石井 茂雄(巨 人)   39 705  189 185   3  3.46

星野 仙一(中 日)   47 500  146 121  34  3.60

平松 政次(大 洋)   47 635  201 196  16  3.31

森安 敏明(東 映)   47 242   58  69   -  3.48

奥江 英幸(ロッテ)    50 283   53  62  13  4.56

仁科 時成(ロッテ)    51 334  110 108   1  4.10

山根 和夫(西 武)   55 278   78  64   8  3.31

◆岡山ゆかりの打者通算成績◆

名    前(球  団) 生まれ年   試合  打数  安打  打点 本塁打 打率

大杉 勝男(ヤクルト)    45   2235 7763 2228 1507  486  .287

片岡新之介(阪  急)   47    716 1439  344  139   36  .239

徳津 高宏(ロッテ )    47   1305 3222  927  368   41  .288

門田 博光(ダイエー)    48   2571 8868 2566 1678  567  .289

平野 光泰(近  鉄)   49   1183  4000 1055  423 107  .264

(注)球団は引退時の在籍チーム。生まれ年は西暦。セーブは74年に導入

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