【サッカー】「上手い」から「強い」C大阪へ、尹晶煥流で生まれ変わるか
1月13日、まだ空に月が残る午前6時50分にC大阪が今季最初の早朝練習を行った。ランニングや体幹トレーニングなどで約30分間体を動かし、朝食を摂った後、午前9時40分から午前練習。昼食と休憩を挟んで午後3時から午後練習と、始動翌日から濃密な3部練習を行った。
早朝を含む3部練習は今季から指揮を執る尹晶煥(ユンジョンファン)監督(43)が「若い選手が多いのでプロ意識を高めた方がいい。プロとして生活リズムを取り戻すため」との狙いで導入。鳥栖の監督時代にも行っており、尹晶煥流の代名詞とも言える。当時を知る新加入のMF水沼宏太(26)は体力面はもちろん、精神面への影響を強調。「尹さんもセレッソに足りない部分だと思っている。みんなできつい練習を乗り越えることは強い集団になる材料。ポテンシャルの高い選手が多いので自分も一緒に高め合えれば」と話した。鳥栖では遅刻などは連帯責任だったため「来てない人がいれば電話を掛け合っていた」と振り返り、チーム内の結束を固める効果もあったようだ。
始動から4日目の15日、尹晶煥監督は早くも今季初めての紅白戦を実施。17日の紅白戦(30分×2)では主力、控え組の区別なくチームが編成され、FW杉本、MF水沼らのチームがFW柿谷、MF山口らのチームに2-0で完勝した。先制点を挙げるなど好調ぶりが顕著だったFW杉本健勇(24)は「例年に比べて、この時期にしてはいい状態」と手応えを口にした。早朝練習には目覚まし3個をセットして寝坊対策を行い、知人との約束なども一切入れずに睡眠時間を確保。「遊ぶ気にもならない。生活リズムが良くなる」と自覚をにじませた。
現在行っているタイキャンプでも既に2度の3部練習が実施された。チームは着実に尹晶煥監督の色に染まりつつある。「上手いというより、強いチームになる」と大熊清チーム統括部長(52)は新指揮官招へいの狙いを語った。土台は着々と築かれている。たくましく根を張った桜の集団が、3季ぶりのJ1で満開の花を咲かせることを期待したい。(デイリースポーツ・山本直弘)