【野球】争奪戦の末に…当たり助っ人はどこに? かぶる「狙い」、高騰化も
プロ野球界で、チームの浮沈のカギを握る外国人選手たち。もちろん、助っ人だけで勝てるほど甘くはないが、昨季は日本ハムのレアードやバースが日本一に貢献し、リーグ制覇した広島もジョンソンやジャクソンらが大活躍した。
優良助っ人が欲しいのは、どの球団も同じ。毎年、水面下で激しい争奪戦が繰り広げられるが、今オフは特に外国人投手の獲得を巡って、セ・リーグ複数球団による“綱引き”が展開された。
DeNAの守護神候補に挙がるパットンやヤクルト・オーレンドルフ、巨人の最速164キロ右腕のカミネロは、セのライバル球団も獲得を検討していた助っ人たち。阪神と再契約間近のドリスも、一時期は巨人がその動向に注目していた。
ある球団関係者は「救援投手が不足している事情から、最近はメジャーの球団がなかなかリリースしてくれない。金額も高騰しているので、どうしても狙いはかぶる。日本で活躍した助っ人が大リーグに戻るのも、そうした事情が関係していると思う」と明かす。元ヤクルトのバーネットや、前日本ハムのバースは活躍したシーズン後にメジャー復帰。巨人・マシソンもメジャーの複数球団で評価が高まっており、本人も復帰の可能性を示唆している。
そんな日米間の事情もあるが、今年も多くの助っ人が海を渡ってきた。各キャンプ地では他球団の偵察部隊が足を運び、その実力をチェックしている。ただ、あるスコアラーは「外国人はふたを開けてみないと分からないよ」と本音を漏らす。額面通りの実力を発揮できるかは、日本野球への対応はもちろん、環境面への適応や性格も大きく左右するからだという。
10日、巨人キャンプでは新守護神候補・カミネロがブルペン入り。投球練習を見た関本四十四氏(デイリースポーツ評論家)も「マシソンに比べると、真っすぐの質の良さは感じられなかったな。ただ、今が何%の状態なのか。これから急激に上がってくるかもしれないからな」と評価を保留した。ベールを脱ぐのはまだ先。争奪戦の末に、“当たり”をつかむのはどの球団だろうか。(デイリースポーツ・佐藤啓)