【野球】日米で違う?開幕投手決定までの舞台裏

 米大リーグ・ヤンキースの田中将大投手が、3年連続の開幕投手に決定した。前日、ジラルディ監督が公表したものだったが、本人がこの話題を「SNS」で知り、翌日に「そういうことだから」と正式通達されたことを明かしていた。

 2月1日、田中が渡米直前の取材現場に足を運んだが、3年連続の開幕投手の話題に「自分がやるんだという気持ちしかない」と言い切っていた。名門チームでしっかりとエースの地位を確立。開幕投手を務めることは必然だったとはいえ、「SNSで知った」ことは本人も予想外だったかもしれない。

 日本では開幕投手への注目度が大リーグ以上に高いということもあるのか、本人への通達の仕方まで配慮する監督も少なくない。今オフ、取材現場で聞いたふたりの監督のこだわりが印象的だった。

 1月9日に石田の開幕投手を発表したDeNA・ラミレス監督。その3日前、都内の高級鉄板焼き店に石田を招待し、直接通達していた。過去、筒香しか連れて行ったことのない「エースにふさわしい場所」で、特別な夜を演出。ラミレス監督は「(石田は)涙ぐんでいたようにも見えた」と、してやったりの笑みを浮かべていた。

 また、日本ハム・栗山監督も1月20日に行われた講演で、開幕投手を通達する際の“儀式”について明かしていた。毎年「本人が後で忘れないような伝え方をしたい」と思考を巡らせ、15年には大谷に手紙を書いて渡したという。しかもミスタープロ野球の長嶋茂雄巨人終身名誉監督の誕生日である2月20日に公表した。

 昨年は2月6日、元祖二刀流でもあるベーブ・ルースの誕生日に「この日を利用しない手はない」と考え、大谷を呼び出した。「翔平、今日が何の日か分かるか?」という問いかけから、2年連続の開幕投手を通達したという。

 ラミレス監督は、開幕投手をエースと位置付ける。石田はまだ3年目で実績も乏しいが「10勝から15勝はできる。われわれとしては、勝たなければいけない試合でエースを使う。どこで彼を使うかをフォーカスする。勝てる試合を作ってくれるのがエースだと思っている」と、期待感を口にしている。石田もここまで言われれば、意気に感じるだろう。

 指揮官に選ばれ、特別な思いを背負ってマウンドに立つ12人の投手たち。この先、どんなドラマが待ち受けているのだろうか。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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