【野球】「向こう30年ちょっと日本には勝てないと思わせる」イチローの言葉から始まった世界一への道

 第4回WBC日本代表の強化合宿が23日から宮崎で始まる。日本は過去3大会で世界一2度、前回大会は準決勝敗退に沈んだ。そこで過去3大会の代表合宿初日や主な個人成績、チーム戦術を振り返る。

 イチローのこのコメントから幕が開けた。「戦った相手に向こう30年、ちょっと日本には勝てないと思わせる勝ち方をしたい」。第1回大会に向けた代表合宿は2006年2月21日、福岡・ヤフードームでスタートした。プレーだけでなくイチローの言動も大きな注目を集めた同大会は、王貞治監督率いる日本が初代王者となった。

 イチローは全8試合に出場し、打率・364、5打点でチームをけん引。また、松中信彦が全8試合の出場で打率・433と勝負強さを発揮。投手では、松坂大輔が3戦3勝で防御率1・38。渡辺俊介はチーム最多の13回2/3を4失点。1次、2次リーグで共に韓国戦で先発し、キューバとの決勝戦は救援に回るなどフル回転した。

 第2回大会は09年。合宿は2月16日に初日を迎えイチローら代表選手を見ようと、約4万人のファンが宮崎・サンマリンスタジアムへ駆けつけた。守備練習では、イチローが本塁へのレーザービーム送球や背面キャッチを披露して沸かせた。

 日本が連覇を果たした同大会。主な個人成績は、ダルビッシュ有がチームトップタイの5試合に登板。先発で2試合、救援で3試合だった。韓国との決勝戦では抑えを務め、世界に実力を知らしめた。岩隈久志は登板4試合の内、先発は決勝戦を含めた3試合。第2ラウンド・キューバ戦は救援に回った。

 13年の第3回大会は山本浩二監督の下、準決勝敗退に終わった侍ジャパン。2月15日に宮崎で合宿初日を迎え、シートノックで鳥谷敬が本職の遊撃でなく二塁を守り注目された。17日の広島との強化試合では「2番・二塁」でスタメン。遊撃の坂本勇人と2度の併殺を完成させている。

 本大会での鳥谷は全7試合に出場し、二塁での先発が3試合。九回2死からの盗塁で話題を呼んだ3月8日の台湾戦は「9番・三塁」でスタメン。遊撃を守ったのは、途中出場した同12日のオランダ戦のみだった。

 投手では前田健太がチーム最多の15回を投げ1失点。登板した3戦全てで先発し防御率0・60の安定感だった。田中将大は初戦となった1次ラウンドのブラジル戦で先発。2回4安打1失点の内容が不安視され、その後の3試合で救援登板している。

 これまで3大会の合宿初日は、イチローら中心選手によるチームの雰囲気作りや、シーズンと違う守備位置といった戦術に関心が集まった。世界一奪回を目指す今回の合宿初日は、どのようなスタートを切るのか注目される。(デイリースポーツ・折原良輔)

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