【野球】プロ初登板からリリーフ一筋の投手は
今や先発陣はもちろんのこと、ブルペン陣の整備がチームの浮沈のカギを握るのは定石だ。
昨季の日本一に輝いた日本ハムは、シーズン途中に守護神・増井を先発に回すというイレギュラーもありながら、チーム救援防御率は、12球団トップの2・67と抜群の安定感を誇った。ブルペンをけん引したのは宮西。今春WBCの侍ジャパンにも選出されている左腕は、2008年のルーキーイヤー以来、先発登板は1度もなくリリーフ一筋。9年連続50試合以上登板を続けている。今季も柱としてフル回転するだろう。
05年のセ・リーグ覇者・阪神の「JFK」、同年に日本一となったロッテの「YFK」などに代表されるように、優勝チームには必ずと言っていいほど勝利の方程式が存在しているのは言うまでもない。それでも、地道にホールドを積み重ねても、試合ではなかなかヒーローにはなりづらい一面もある。試合に登板しなくともブルペンで準備し、想像以上にタフなメンタルと肉体が要求される仕事だ。
現役時代に中継ぎの柱として活躍したある指導者は、「前の投手が残した走者を背負ったときは、これで打たれても自分には負けがつかないから、と開き直った気持ちでマウンドに上がるようにしていた。このくらいの気持ちでいないと、やっていけないですから」と振り返っていた。プライドと誇りをにじませ、今年もリリーフ陣たちが腕を振る。
◆プロ初登板から先発登板がなくリリーフ一筋の主な投手
五十嵐亮太(-ソフトバンク)※
武田久(日本ハム)※
宮西尚生(日本ハム)※
高橋聡文(阪神)※
藤田宗一(ソフトバンク)
篠原貴行(DeNA)
木塚敦志(横浜=現DeNA)
清川栄治(広島)
※は現役、球団は最終所属、または現所属