【野球】連覇を知る侍・青木、頂点にどのように導くか
世界連覇を知る男は、どのように日本を引っ張っていくのか-。第4回WBCに向けて、日本代表は宮崎での強化合宿を経て、28日から壮行試合、強化試合に臨む。今大会では、アストロズ・青木宣親外野手(35)が日本人メジャー選手で唯一の代表入り。メンバー最年長でもある青木が、ヤクルト在籍時に出場した過去2大会を振り返る。
当時は若手だった。2006年の第1回大会。1次リーグ初戦は3月3日・中国戦で、24歳だった青木は中堅の守備で途中出場。八回無死三塁の打席で左前適時打を放ち、チームに14点目をもたらす。日本は18-2で中国を圧倒し、八回コールド発進だった。
ただ、同大会での青木は十分に力を発揮したとは言いがたかった。守備固めや代打、代走での途中出場が目立ち、出場6試合中スタメンは2試合。韓国との準決勝で「1番・中堅」、キューバとの決勝は「9番・中堅」で出場。同大会の打撃成績も5打数1安打1打点と物足りない数字だった。
日本が連覇を達成した09年の第2回大会は、イチローらと共にチームの中心として活躍。全9試合に「3番」で先発出場。3月7日の1次ラウンド・韓国戦で初回無死一、二塁から先制中前打を放つと、随所で勝負強い打撃を発揮した。終わってみれば、同大会の打撃成績は37打数12安打7打点、打率・324をマークし、大会ベストナインにも選出された。
守備は“本職”ではないポジションを守った。普段、ヤクルトで守っていた中堅を福留に任せ、主に左翼に就いた。中堅でのスタメンは2試合。その際は内川や亀井が左翼に入った。ちなみに、同大会より前のレギュラーシーズンで左翼を守ったのは04年の2試合のみ。同大会後の09年シーズンは6試合で左翼を守っている。
日本人メジャー選手の出場は今回の青木で2大会ぶりとなる。日本代表の初戦は3月7日・キューバ戦(東京ドーム)。連覇を果たし、米国でも豊富な経験を積んだ青木の参戦が、どのような追い風となるか注目される。(デイリースポーツ・折原良輔)