【野球】高知の19歳アフリカ人選手「ラミレスから学びたい」
メジャー通算555本塁打のマニー・ラミレス外野手(44)の入団が決まった四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグス。7日に決定した来日を心待ちにしているのはファンだけではなく、同球団でプレーする選手たちもまた、このスーパースターと一緒にグラウンドに立てる日が来るのを待ちきれない様子だ。その中の一人、西アフリカ・ブルキナファソ出身のサンホ・ラシィナ内野手(19)は「すごい人と野球ができる。楽しみ」と目を輝かせる。
ラシィナが野球を始めたのは10歳のとき。同国で活動していた日本人の青年海外協力隊員からプレーのやり方を教えられ、野球のとりこになった。15歳だった2013年に来日し、高知で1カ月間練習に参加。翌14年春から正式に練習生として受け入れられた。
日本に来た当初はマシンの球にかすりもしないレベルだったが、高い身体能力と懸命の努力によって周囲が驚くほどの速さで野球のノウハウを吸収した。
15年シーズン終盤に公式戦デビューを果たすと、昨シーズンは39試合に出場して93打数23安打で打率・247をマーク。5月28日の愛媛戦では左翼スタンドに初アーチも記録した。50メートル5秒8の俊足に加え、スイングスピードもチームで1、2を争うほど。パワーとスピードを兼ね備えた選手として、欠かせない戦力となった。
「NPB入り」を目標に、さらなる飛躍を目指す17年シーズン。年明け早々に入ってきた「ラミレス入団」のビッグニュースは、ラシィナにとっても衝撃的だった。ブルキナファソにいたころはラミレスの存在は知らなかったが、日本に来てからその名前を何度も耳にして「ユーチューブでバッティングの映像を見た。すごい選手だと思った」と憧れを抱くようになったという。
アフリカからやって来て夢中で白球を追い続けている間に、メジャーでも歴代屈指の強打者とチームメートになる機会が巡ってきた。「同じ右打者だし、すごく勉強になると思う。ラミレス選手からいろいろ学びたい。一緒にクリーンアップを打てればうれしい」。すっかり流ちょうになった日本語で“弟子入り”を志願したラシィナの奮闘に、今年も注目したい。(デイリースポーツ・浜村博文)