【ボクシング】具志堅から山中までの37年間

 具志堅用高(協栄)の持つ世界戦13連続防衛の日本記録に、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)が王手を掛けた。3月2日、同級6位のカルロス・カールソン(メキシコ)に7回TKO勝ちし、12度目の防衛を果たした。

 37年ぶりの大記録に追いつくことが現実味を帯びてきたが、具志堅時代と山中時代では、ボクシングのルールが変わっているため、同列で扱ってよいかという声も聞く。具志堅氏の思いを聞いてみた。

 最も分かりやすい違いは3つ。具志堅時代は15ラウンド制、グローブは6オンス、当日計量だったのに対し、山中が活躍する現在は12ラウンド、8オンス、前日計量となっている。これらはいずれも選手の健康管理を重視した改正だ。

 具志堅氏は「昔と今では違うところ少しはあると思う」と言う。グローブについては「当時は6オンスだから(試合後)拳はこんなに腫れた。でも骨折じゃないから。丈夫だった。パンチのある人たちは拳を骨折して1年間試合ができないとかあった」と振り返る。ただ、山中の場合は「打ち方がいい。的確に顔面のいいところを打っている」と、仮に6オンスでも拳を痛める自傷はないと見ている。

 そして、当日と前日の計量の違いを重視した。「前日計量だから食べなきゃいけない。増やしすぎてもいけない、今のボクサーは大変。計量後、水分を2リットルくらい取るのいるでしょ。食事も3食、4食取って6、7キロ戻すのがいる。2階級くらい上げちゃう。1日であんなに戻したら動けない。あれでいいのかな、と思う。昔はそんなに体の変化がなかった」と疑問を投げかけた。

 この点でも山中は別だという。「山中くんなんか、しっかりそういうところ抑えていると思うね。コンディション作りはすごいと思うな」と、リングに上がった体つきから確信している。実際、山中は計量から4キロ以内の増量に抑えている。

 具志堅氏は「チャンピオンになるのは大変だけど、長く防衛するのはもっと大変」と言う。時代は違えど、同じ努力を続ける山中を認めている。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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