【スポーツ】ボクシング・ユース王座設立 懐疑の声も…選手のファイトに期待

 日本プロボクシング協会が「日本ユース初代王者決定トーナメント」を開始する。フライ級からスーパーライト級まで8階級で、5月16日に予選を行い(4階級は決勝のみ)、8月22、23日に決勝戦を行う。

 出場資格は24歳未満のA級ボクサーで、今回エントリーした21選手のうち、9選手が日本ランカーだ。日本タイトル挑戦への大きなステップとして位置づけられている。

 しかし、協会の中にも王座設立に反対する声があったという。また、日本ボクシングコミッション(JBC)もまだ正式にユース王座を認可していない。協会が先行して準備を進める展開となっているが、最終的にはJBCも認可すると見られている。

 こうした不自然とも取れる流れには理由がある。ユース王座設立の理由の一つが、選手のボクシングに対するモチベーションを持続させるためだからだ。あるボクシングジムの会長はこう説明する。

 「プロになったボクサーの最初の目標は新人王。それがついえたら今度は日本ランカー。それから日本タイトルとなる。ところが、日本チャンピオンのベルトを巻くのはなかなか難しい。諦めて辞めちゃう選手も少なくないんだ。日本の一歩手前にもう一つベルトがあれば、そこをもう一つの目標にできる」

 つまり、必然に迫られて発生するタイトルではない。

 JBCは「権威があってこそのタイトル」という姿勢を示している。当然の話で、タイトルの価値を高めるのは、試合の質であり、選手のパフォーマンスだ。出場する21選手には、ユース王座への懐疑の声をシャットアウトするようなファイトを見せてもらいたい。(デイリースポーツ・津舟哲也)

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