【野球】成績以上の存在感 阪神のチーム力を上げている糸井

 巨人・森福允彦投手が24日に再調整で出場選手登録を抹消された。これで昨年のストーブリーグを賑(にぎ)わせたFA選手5人の中で1軍に残っているのは、阪神・糸井嘉男外野手と楽天・岸孝之投手の2人となった。

 巨人に移った陽岱鋼、山口俊に至っては3軍で調整中。岸は開幕直前にインフルエンザを発症し出遅れた。移籍初勝利は挙げたものの、23日のソフトバンク戦で試合開始に腰の痛みを発症し、登板を回避した。

 その中で糸井はキャンプで右膝関節炎で別メニュー調整したが、開幕に照準を合わせ、広島との開幕3連戦では9打数4安打、打率・444、1本塁打、5打点と大活躍した。FA5人の中で最も活躍するが、現在は打率・275、3本塁打、14打点(4月24日現在)。昨年までの生涯打率・301を考えると、数字的には物足りない。

 しかし、デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「糸井がチームに加わり、成績以上にチームに好影響を与えている」と言う。「糸井が3番に入ることで、福留が生きている」。21日・巨人戦(東京ドーム)では、初回に苦手のマイコラスを攻略。先頭の高山が右前打で出塁し1死後、糸井がバットを折りながら右前打でつなぎ、福留の先制3ランにつなげた。

 また「1、2番の打者も糸井がいることで塁に出ればいい、2死からでも糸井がいると思うと楽な気持ちで打席に入ることができる」と“糸井効果”を続けた。加えて「5番の原口は3、4番に全神経を集中させた投手がホッと一息ついたところで甘い球が来る可能性が高くなる」と3、4番に強打者がいることで、マークが緩くなるという。

 6番サードで出場する鳥谷は打率3割をキープし、昨年までなら3番候補だが「気楽な打順が好結果をもたらしている」と糸井の存在なしには語れないようだ。

 パ・リーグで実績を残してきた糸井だが「相手のマークがきつくなるし、弱点を把握しているのも事実。ただ、たとえ打率が2割7、8分であろうが、その存在感が大きい。糸井が加入したことで前後につながりを生み、打線として機能させている」と岡氏は言う。

 昨年オフにFA宣言してチームを移った5人の中で最も成績を残している糸井であるが、成績以上にチーム力を上げているのも糸井である。(デイリースポーツ・岩本 隆)

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