【野球】オリックス吉田正のフルスイングに魅せられて

 吉田正尚外野手は現在、オリックスでもっとも注目を浴びている選手かもしれない。プロ2年目。今季の1軍出場はゼロ。にもかかわらず取材が殺到している。

 ゴールデンウイーク。チームは楽天との首位攻防戦に向けて仙台へ遠征した。各紙の担当記者も同行し、熱い戦いを見守った。ところが、テレビ各局の遠征組はゼロ。聞けば、舞洲サブに集結していたのだという。

 なぜ?

 お目当ては腰痛で出遅れている吉田正。故障後初の屋外フリー打撃を取材するためらしい。

 球団広報によると「関西ローカルだけではなく、キー局の取材陣も来られてますね。さすがにべったりではないですけど、節目節目で来られています」とのこと。

 人気球団の巨人や阪神ならあるだろう。広島や日本ハム、ソフトバンクのように地元が熱い地域でもあるかもしれない。失礼ながらオリックスでこの取材態勢は異例だ。

 あるテレビ関係者に聞いてみた。

 「やっぱりあのスイングなんです。うちの局でも別の部署からも“あのスイングいいよねぇ”って声があがるんです」

 吉田正は173センチと野球選手としては小柄。だが、振り終わったときにバットが背中をたたくような豪快なフルスイングは魅力だ。昨季はわずか63試合の出場で10本塁打。球団新人としては31年ぶりとなる2桁本塁打を記録した。若き大砲候補だ。

 一度、福良淳一監督に聞いたことがある。吉田正はDeNAの筒香になれるか?と。

 「なれると思うよ。そのくらいのモノは持っている。ケガだけ。ちゃんと試合に出られたらな」

 昨季も4月下旬に腰痛から4カ月近く離脱した。今年も開幕直前の3月22日の練習中に腰痛を発症し、ここまで1軍出場はない。

 それでも指揮官は「試合に出られるようになったら呼ぶよ。2軍戦に何試合も出る必要はない。交流戦までに?できるだけ早くやね」と早期の復帰を期待した。

 テレビ各社が熱視線を送り、指揮官が復帰を待望する。みな、吉田正のフルスイングに魅せられたからだ。

 10日にウエスタン・広島戦(舞洲サブ)で実戦復帰の予定。2軍戦だが、もちろんテレビ各局も取材予定だという。

 1軍復帰はもうすぐ。あのフルスイングのとりこになるファンが一気に増える日は近い。(デイリースポーツ・達野淳司)

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