【野球】首位・楽天で不動の1番、2年目茂木好調の秘密

 楽天は開幕ダッシュを成功させ23勝9敗、貯金14で首位を堅持している。その快進撃を支えるのが、2年目の茂木栄五郎内野手(23)だ。不動の1番として打率・308、8本塁打、24打点を挙げる背番号5の、好調の要因に迫った。

 ネット裏のパ・リーグのあるスコアラーは、茂木を評してこう断言する。「打ち方は金本(現阪神監督)と同じ。ボールの軌道を見切って、点で打つ。そして人一倍強いリスト。だから、逆方向でも打球が飛ぶんです」。2年目のジンクスとは無縁の茂木には、かつての強打者をほうふつさせるスキルがある。

 今季飛躍のキーワードは「長打力」。14日のソフトバンク戦で今季8号満塁弾を放ち、昨季の7本塁打を超えた。礒部打撃コーチは「スイングの角度、スピード、技術が安定している。もともと昨年から2桁本塁打できるだけの力はあった。打席での落ち着きが出たのと、1年間で対戦した投手が頭に入っていることもあって、いい準備ができているのでは」と話す。昨季は惜しくも新人王を逃したが、多くの場数を踏んだ経験値と、1年間で得た相手投手のデータをインプット。クレバーで学習能力が高いのも特長だ。

 決して順風満帆ではなかった。実は昨季「プロの壁」にぶつかっていた。前出のスコアラーが証言する。「昨年のオープン戦やシーズン序盤は苦しんでいましたね。プロの速球にも対応できていなかった。でもある日突然、振り回すようになったんです。1年目だから遠慮があったのかもしれませんね(苦笑)」

 早大時代からインパクトで強くボールを叩き、フォロースルーの大きなスイングが持ち味。礒部打撃コーチが「昨年から振りに関してはいじるところがない。本人に任せている」と話すように、原点回帰を転機に今季の活躍につなげている。

 梨田監督が「不動の1番」に起用する理由の一つは、好不調の波が少ないこと。2番からの助っ人3人の前に走者を出したくないという投手心理からすると、茂木と勝負せざるを得ない。今季のファーストストライクの打率は・412、5本塁打。もともと早いカウントから積極的に仕掛けていく長所を最大限に生かしている。

 礒部コーチは「3割30発はいける」と太鼓判を押す。85年の阪神日本一に貢献し「史上最強の1番打者」とうたわれた、真弓明信の同年成績は34本塁打、84打点、打率・322。現在、シーズン35本ペースで本塁打を量産している茂木も、球史に残る超攻撃的トップバッターとなる可能性を秘める。(デイリースポーツ・福岡香奈)

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