【野球】DeNAラミレス監督 桑原&倉本らレギュラー固定にこだわる訳
DeNA・ラミレス監督の“我慢”が実を結んだ。20日の巨人戦(横浜スタジアム)の六回。2死一塁から倉本が右翼線二塁打で好機を広げると、桑原が決勝の2点適時打。ともに打率2割台前半に低迷しながら指揮官が辛抱強く起用してきた両選手が、ようやく勝利に貢献した。
昨季は球団史上初めてCSに進出。主砲の筒香を中心に勢いのある選手がそろい、今季は優勝候補に挙げる評論家も少なくなかった。だが、ここまではBクラスに低迷。その要因として攻撃面では筒香ばかりがクローズアップされがちだが、昨季飛躍を遂げた桑原、倉本の不振も誤算のひとつだろう。
桑原は昨季、133試合に出場して打率・284。一方の倉本も141試合の出場で打率・294を残した。ただ、筒香、ロペス、梶谷に比べれば実績は乏しく、絶対的なレギュラーとは呼べない存在。それでもラミレス監督は一貫して「開幕に向けて、この選手をレギュラーでいくというのは重い決断。選手を信頼しているし、私は我慢するタイプです」と語り、起用を続けてきた。
監督自身、現役時代はスロースターター。春先は不調でも「温かくなれば上がってくる」と話し、終わってみれば毎年結果を残してきた。「倉本はスタジアムに早く来て、しっかり準備している。たとえ20打数0安打でも、プレーしたいという選手だと思うので毎日使います。桑原も同じ。レギュラーに指名した選手は我慢して起用するし、彼らがAクラスに上げてくれると信じている」。レギュラー固定にこだわり続ける理由を、こう説明していた。
一方で「選手には常に、ラインアップを変えるのは選手自身だと言っている。一度レギュラーをつかんだら放すな、と。放してしまったらそれは選手の責任だよ、と」と、鼓舞することも忘れない。交流戦までの目標として、貯金5を掲げていた指揮官。筒香、ロペスの前を打つ両選手の復調が、上位進出の鍵を握っている。(デイリースポーツ・佐藤啓)