【野球】巨人・マシソン、データで示す多彩な投球 WBCカナダ代表もプラス効果
首位の阪神に3・5ゲーム差で追う3位の巨人。現在中継ぎ陣に不安を抱える中、スコット・マシソン投手(33)は今季も勝利の方程式に欠かせない存在としてマウンドに君臨している。
今季はここまで19試合に登板。現在15試合連続無失点中で、防御率は0・84と抜群の安定感を誇る。自身は「昨年、一昨年は球種に関してちょっと慎重になってた。今年は自信を持って変化球を投げられる」と好調の要因を分析する。
常時150キロ台の直球は今年も健在。加えて「今季はスライダーの精度がいい。スプリットでも三振が取れている」と胸を張る。スプリットは田畑投手コーチからリリース時に手首のひねりを以前よりも意識するよう助言され、改善。実際に昨季全投球の9%だったスプリットは今季19%と割合も増え、多彩な投球を展開する。
来日6年目。昨季まで4年連続60試合登板を続けており、昨年は目標に掲げていた70試合、日本通算300試合登板も達成。オフは疲れを引きずらないように休養に重きを置き、ボールの握り始めも約2週間遅らせて万全の状態を作り上げた。「最低でも60試合。昨年よりたくさん投げることも含めてやっていきたい」と今季の目標を設定しており上昇志向は尽きない。
3月にはカナダ代表としてWBCにも出場。疲れも見せず、むしろ国際大会出場がプラスに働いているという。「国の代表で投げるアドレナリンもありながら、カナダの家族のような雰囲気でリラックスしてできた。両方の感情を味わうことで、(シーズンに)うまく入っていけた」と、母国のメンバーと過ごした時間がシーズンへの活力になっている。
脅威のセットアッパーとしてフル回転し続ける助っ人右腕。この先も変わらぬ貢献度を示し続けるだろう。(データ提供は共同通信デジタル)(デイリースポーツ・田中 哲)