【ゴルフ】19歳の宮里藍に見たど根性、通訳使わず記者会見
女子ゴルフの宮里藍(31)=サントリー=が、今季限りで引退することになった。一報を聞いてすぐに思い出したのが、2005年2月に参戦した欧州ツアー・ANZレディースマスターズ(オーストラリア・ゴールドコースト)での宮里の姿だった。
まだ19歳。米ツアーに本格参戦した06年の前年のことだ。米国進出を目指して英会話の習得に懸命だった宮里は、記者会見に通訳がついていたにも関わらず「すいません。いけるところまで自分でやってみたいんです」と通訳を制し、海外メディアの質問に必死に英語で答えた。
まだ、流ちょうとは言えない状況だった。しかし、言葉につまっても「どう言ったらいいですか?」と通訳に聞き、自ら英語で答えた。その真摯(しんし)な姿に海外メディアも心を打たれたのか、ゆっくりと質問し、時間をかけて宮里の答えを聞き取っていたのが印象的だった。
初日に自己ベストタイの「63」をマークし、3日目までは首位をキープ。カリー・ウェブとのマッチレースは、最終日にスコアを伸ばせず1打差で2位に終わったが、「悔しいより充実感」と語った笑顔に果てしない可能性を感じたものだ。
年頃の藍ちゃんは、ネイルアートを施し、女性記者に「どこで服を買っているんですか?」と聞くなどおしゃれにも興味津々。ゴルフも英語もおしゃれもすべてに貪欲だった19歳は、そこから一気に世界に羽ばたき時代を駆け抜けた。(デイリースポーツ・船曳陽子)